民主党 衆議院議員 小川淳也
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〜会議録(2016年4月26日 沖縄及び北方問題特別委員会)〜

○渡辺委員長  次に、小川淳也君。

○小川委員  民進党の小川淳也です。よろしくお願いいたします。

 まず、岸田外務大臣、冒頭、通告外ですが、けさほど、北朝鮮の弾道ミサイルの発射に対して外交ルートを通して抗議をされたという報道に接しました。その事実関係なり経緯を少しお述べいただきたいと思います。

○岸田国務大臣  北朝鮮の核実験、弾道ミサイル等の挑発行為は決して容認することはできないというのが我が国の立場であり、今回も北京の大使館ルートを通じまして北朝鮮側に抗議を行った、こういったことにつきまして、本日、閣議後のぶら下がりにおいて発言をさせていただきました。

○小川委員  特に年明け以降、たび重なる核実験、それからミサイルの発射、非常に、自分自身も含めてなんですが、これになれっこになっちゃいけないなという気がするぐらい頻発をしています。

 それで、新たな金正恩体制について大臣はどうごらんになっているか。

 具体的に言うと、私は、金正日体制のころは、経験も豊かでしたから、ある意味、瀬戸際外交は彼らのお家芸とはいえ、ある種の相場観なり安定感があったような気がしています。しかし、新たな若い体制は、経験がないだけに、場合によっては暴発、あるいは余りにも度を過ぎた過激な行動に出るのではないかというような懸念も持っているわけです。

 そこらあたり、岸田大臣の対北朝鮮、この金正恩体制についての御所見を少しお聞きしたいと思います。

○岸田国務大臣  北朝鮮につきましては、ことしに入りましてから、核実験、弾道ミサイルの発射等が強行されました。それを受けて、国際社会が北朝鮮に対して強いメッセージを発しなければならないということで、米国、韓国、日本が独自の措置を発表し、そして国連安保理におきましても議論が行われ、結果として、強い内容の安保理決議が全会一致で採択をされました。

 深刻なのは、この決議が採択された後もこうした挑発行為が続けられている、このことではないかと思います。

 先般行われましたG7の外相会談の中においても、北朝鮮問題、特別な時間をとりまして、各国で議論を行いました。大変突っ込んだ議論が行われました。基本的には、金正恩体制のもとで予測可能性はより低くなっている、こういったことについては、各国の考え方、見方は一致していたと思います。

 そして、これからにつきましては、まずは、採択されました強い内容の安保理決議をしっかり履行していかなければなりません。

 そして、安保理におきましては、安保理の下に、北朝鮮問題を監視する委員会あるいは専門家パネルが設置されています。この専門家パネルには日本人も参加をしています。ぜひこうした仕組みを使って安保理決議の実効性をしっかり確保する、これがまず第一であると考えます。

 その上で、北朝鮮側の反応を見ながら、より建設的な対応を引き出すために、各国とも連携しながらこの取り組みを進めていかなければならない、このように考えます。

○小川委員  昨年訪中いたしました折に、中国の関係者といろいろ話をする中で、北朝鮮が少々暴れている方が中国にとっては便利だというような感触すら私は受け取って帰ってきました。その意味で、今回、中国が少し毅然たる態度に出てきていることは一つの明るい展望だと思うんです。

 しかし、後ほど北方関連、対ロ外交についてもお聞きしたいと思いますが、これを事実上本当にやっていくには、六カ国協議の枠組み以外に実効性ある取り組みはできないのではないかと思います。

 このあたり、まさにおっしゃった相場観そして予測可能性という観点から極めて難しい対応だと思いますけれども、とにかく大事なことは、向こうに口実を与えないということが大事だと思います。その意味では慎重に、しかし毅然と、引き続きの対応をお願い申し上げたいと思います。

 本題の沖縄関連についてお聞きしたいと思います。

 島尻大臣には、先般の沖振法の改正に当たりまして、私どもは与党時代でした、大臣は野党の責任ある立場でいろいろと前向きな御協力をいただいたことをきのうのように思い出しております。その節は大変お世話になりましたことを心からお礼を申し上げたいと思います。

 沖縄関連についてさまざまお聞きしたいと思うんですが、少しホームページ等では把握できませんでしたので。

 大臣は仙台の御出身でいらっしゃる。沖縄の方と御結婚をされ、そして今日に至っている。沖縄での御在住経験はどのぐらいあるのか、後の質問にも関連しますので、正確でなくても結構です、差し支えなければ教えていただければと思います。

○島尻国務大臣  こちらの方こそ、小川委員はきのうのことのようにという表現をされましたけれども、私も本当に全く同感でございまして、第五次の沖縄振興法あるいは跡地法の成立におきましては一緒に仕事をさせていただいたことを、大変いい経験をさせていただいたなというふうに思っております。今、大臣として仕事をしている上で、あのときの第五次の振興法の成立というのは沖縄の振興にとって大変に有意義なものだというふうに思っておりますし、また、それを私はベースとして今後も沖縄振興については邁進していきたいというふうに考えております。

 お尋ねの、私のこれまでの経緯に関してでございますけれども、平成元年に結婚をいたしまして、沖縄にはそのときから行ったり来たりはしていたわけでありますけれども、記憶によりますと、一九九七年に、諸般の事情もございまして、沖縄にそのときからずっと住所を移して住んでおりましたので、結婚してからもう二十五年以上たちますけれども、沖縄に住んでからということでありますと、一九九七年以降は住んでおりましたということだと思います。

○小川委員  大変個人的なことに立ち入ってはいけないんですが、質問に当たっての参考ということで、ありがとうございました。

 かく言う私も、今から二十二年前、自治省に入省いたしまして、そしてみずから希望して沖縄県庁に赴任をいたしました。ですから、社会人としてのスタートは沖縄。そして、当時結婚もいたしまして、地元の香川県の人間なんですが、家庭生活もスタートは沖縄ということで、大変強い思い入れを持っております。折しも、九五年でした、米兵による小学校六年生の女の子に対する暴行事件が発生をいたしまして、夫婦そろって県民総決起集会に足を運んだことも、また、それこそきのうのことのように思い出しております。

 それ以降、沖縄はさまざまな国政上の課題に非常に翻弄され、沖縄県民の思いを想像いたしますと、筆舌に尽くしがたいさまざまな葛藤や困難を抱えて今日に至っているということだと思います。私ども国政に携わる人間にとって、これは与党、野党を問わず、この歴史なり県民感情なり置かれている状況については深い思いをいたした上で議論を行うことが必要だろうというふうに感じます。

 この沖縄振興をこれから議論したい、それに関連して質問したいわけですが、当委員会の直接の所管事項でないとはいえ、やはり基地問題と切り離してこれを考えることができませんので、防衛政務官にお越しをいただいているかと思います、少し背景となるこの基地問題の推移についてお聞きしたいと思います。

 現状、政府と沖縄県は、さまざまな訴訟当事者であったわけですが、和解に踏み切った。これは極めて大きな決断だったというふうに受けとめております。しかし、表面的な和解とは裏腹に、必ずしもその両者の歩み寄りが進んでいるのかどうかについては極めて疑問が多い、そういうふうに受けとめております。

 この和解合意、そしてその後の埋立承認取り消しに対する是正指示、これに対する沖縄県知事からの国地方係争処理委員会への審査の申し出、これが今後どういう推移をたどる見通しを現在持っているのか、まずこの点についてお聞きします。

○熊田大臣政務官  お答えいたします。

 御指摘をいただきました国と沖縄県とが訴訟合戦を延々と繰り広げるような関係のままでは、結果として、膠着状態が続き、学校や住宅に囲まれ、市街地の真ん中にある普天間飛行場を初め、沖縄の現状がさらに何年間も固定されることとなりかねないと考えております。

 このような状況は、国、沖縄県双方にとって望ましい結果ではない、そうした裁判所の意向に沿って熟慮した結果、国と沖縄県との将来にとって最適な選択であると判断し、沖縄県と和解することを決定したものであります。

 和解の内容に従った手続は始まったばかりであり、今後のスケジュール等を具体的に述べることは困難でありますけれども、先ほど御指摘をいただきましたように、普天間飛行場の危険性除去と辺野古移設に関する政府の考え方、沖縄の負担軽減を目に見える形で実現するという政府の取り組みについても改めて丁寧に沖縄県に説明をし、理解を得られるよう、粘り強く取り組んでまいる所存でございます。

 また、この和解は、係属している三つの訴訟、これを一旦白紙に戻し、国地方係争処理委員会を経て、翁長知事による埋立承認の取り消しの是非を争う訴訟を一つにするものでございまして、加えて、裁判所が提示し、国、沖縄県の双方が合意した和解条項の第九項では、国と沖縄県は、是正の指示取り消し訴訟確定後は、直ちに、判決に従い、判決の主文及び理由の趣旨に沿った手続を実施するとともに、その後もその趣旨に従って互いに協力して誠実に対応するとされておるものでございます。

○小川委員  今のお答えに関連して、これは、国地方係争処理委員会の審査結果の通知は申し立てから九十日以内ということでありますから、六月の二十一日が期限になるというふうにお聞きしています。恐らくその後も、和解協議中にあるとはいえ、政府側の意向と沖縄県の意向はすれ違い、あるいは平行線でしょうから、まさに今政務官が御答弁になられたように、訴訟を一本に整理するという効果があるとしても、お互いの距離感が埋まったということにはならないというのが現状想定される見通しだと思うんです。

 その後も裁判が続くんでしょう。そして、一定の判決が出たとしても、まさに今政務官が御答弁になられたのは、この和解条項の第九項の解釈に関連すると思いますが、是正の指示の取り消し訴訟判決確定後、直ちに、同判決に従い、主文及び理由の趣旨に沿った手続を実施する、その後も同趣旨に従って互いに協力して誠実に対応することを相互に確約する、一応こういう文面になっています、和解条項第九項。

 しかし、例えば、政府と沖縄県との協議会では、この判決そのものの効力あるいはその限界についても、翁長知事側は、協議会において、判決が出た後どこまで縛られるのか縛られないのか、そういったことについても議論したいという沖縄県側の意向があります。しかし、報道を見る限り、政府側がそれに応じる可能性は低いのではないかというふうに拝見されます。

 去年も一カ月でしたね、工事を中止して。あのときに、政府側は本当に中止する気があるんじゃないかという見立てを披露する方々も何人かいらっしゃいました。私は、一カ月の期限が来たら、粛々、淡々と工事を再開するんだろうと思っていました。

 こういう工事の停止や、あるいは和解のあり方、いっとき気を持たせて、しかし、その内実は何も変わらないというやり方は、かえって沖縄県民の心を乱し、事を複雑化させ、困難を増すということが考えられるのではないか、少なくともそういったことを懸念すべきではないかというふうに感じます。

 そこで、お尋ねします。この和解第九項の法的な拘束力はどういうものだと理解すればいいんですか。

 翁長知事側が言うように、例えばこの判決で仮に取り消し訴訟が、取り消しが確定したといえども、例えば知事側は、その後の工事計画の承認申請を認めないとか、あらゆる法的手段が考えられると思います。それから、場合によっては、事と次第によっては、翁長知事みずから、事実上の行為、例えば座り込みに参加するとかいったような実力行使も含めて辞さない覚悟も彼は今秘めているんではないかというふうに感じます。

 ここらあたりは、この第九項の効力はそこまで及ぶものなんですか、それとも、その後の法的行為並びに事実上の行為まで制約するものとは解せないんですか、そこを少しお聞かせいただきたいと思います。

○武笠政府参考人  お答え申し上げます。

 今回の和解でございますけれども、国と沖縄県知事あるいは沖縄県との間に複数の訴訟が係属する、こういった訴訟合戦のような事態が生じておりましたことから、埋立承認取り消しの是非という紛争の中核的な部分の争いに絞って、最終的には裁判所に決着をつけてもらいまして、その判決の主文だけでなく導く理由の趣旨についてもこれに従って、お互いに協力して誠実に対応する、こういうことを約束したものでございます。

 したがいまして、この和解条項九項でございますけれども、強制執行ができる、あるいは違反に対して直ちに損害賠償義務が生ずるといったような意味での法的拘束力はないといたしましても、国と沖縄県の双方が、埋立承認取り消しの是非について最終的な司法判断が下された場合には、その理由中の趣旨も含めて拘束される旨を合意したということで、紛争を根本的、抜本的に解決しようという趣旨であるというふうに解しております。

○小川委員  重要な確認だと思います。直ちに、法的拘束力、もちろん一定の法的拘束力のある紳士協定だという理解かと思いますが、今後も、沖縄県知事あるいは沖縄県政にとっては、さまざまな法的対抗措置なり事実上の対抗措置の余地は残した合意、あるいは、これは判決確定後もそうだというふうに理解をいたしました。反論はありますか。反論でなければ、これで結構です。

 その前提で、いずれにしても、これは極めて丁寧に、慎重に事を運んでいただくことが重要だと思います。

 島尻大臣、直接は、もちろん基地問題は所管外だと思いますが、沖縄のあり方、そして振興を考えるに当たって、もちろんこの背景として、基地問題の大きさ、占めるウエートというのは否定できないと思うんです。

 それで、大臣に少しお聞きしたいんですけれども、沖縄北方委員会は余り頻繁に審議する場ではありませんので、本当はタイムリーに審議できれば一番よかったんですが、こういう予算成立明けの審議ということで、一月、二月、三月と、積もり積もった、たまりにたまったお聞きしたいことがございますので、少し過去のことも含めてお聞きしたいと思っております。

 もちろん大臣の資質に関係することとして、例えばカレンダーの配付問題とか、あるいは補助金を受けた独法からの寄附を受け入れたとか、あるいは、大変卑近なことであるとはいえ、特に北海道の方々の思いを想像すればやはり不謹慎ではなかったかと思いますが、歯舞群島に関する漢字の読みの問題とか、大臣にとっても非常に不本意だと思いますが、こうした報道が世間をにぎわせたということについては、大変遺憾ですし、残念なことであります。

 これは過去の言動、言説ということで、直接お聞きはしませんけれども、少し私自身が看過できないと感じることについてお聞きします。

 まず、先ほど在住期間がどのくらいですかとお聞きしたわけですが、私も、当初、沖縄県庁勤務を希望したときには、日本本土、内地とはより違った環境で刺激のある仕事をしてみたい、あるいは生活を体験してみたいという思いがありました。

 しかし、行ってみて、つくづく、日米安全保障条約を体現しているのは、日本では大半が沖縄なんですね。目で見る日米安全保障条約、肌で感じる日米安全保障条約、身につまされる日米安全保障条約、これを体感できるのは沖縄以外にはありません。

 そして、もちろん気候風土も含めて内地とは異なる部分があるわけですが、何よりも大きいのは、やはり悲惨な第二次世界大戦の地上戦の記憶と、そして、さかのぼれば琉球王国としての誇りある伝統であり歴史、こうしたものは、私は、正直申し上げて行くまではわかりませんでした、行ってそこで暮らすまでわかりませんでした。しかし、行ってみて初めて、これは四十七都道府県の一つというふうに扱ってはいけない地域なのかもしれないという思いまで持ったわけです。それだけ特殊であり特別であり、ある意味、本土側は十分に配慮をしなければならない。

 その観点からお聞きします。

 年明けに宜野湾市長選挙がございました。確かに、結果は結果として、ああいう結果でありました。それを受けて、大臣が、御在住経験がありながら、今私が申し上げた背景については大臣はすぐに御理解いただけると思うんです、そうした沖縄県民の感情的、歴史的背景については。それを受けて、軽々に、あれをもって、サイレントマジョリティーは別にある、あるいは、オール沖縄という感覚とは随分違うという官房長官の当時の発言が全く同感であるというのは、少し沖縄に対して配慮に欠けた発言であり、認識を誤った発言ではありませんか。まずその点をお聞きします。

○島尻国務大臣  まず、今の御質問にお答えする前に、先ほど私、一九九七年からというふうに言いましたが、一九九三年の誤りですので、済みません、そこは訂正させていただきたいと思います。

 その上で、大臣就任の後、いろいろな私の言葉足らず等で誤解を受けたということもございまして、例えば北海道の歯舞に関しては、現地の皆さんに御心配をかけたとすれば、それは私としても大変申しわけないなというふうには思っております。

 ただ、私も沖縄北方委員として九年間やらせていただいておりますので、歯舞という漢字の読み方を知らなかったというのではなくて、実は、千島連盟の正式名称を読み上げさせていただくときに言いよどんでしまったというところでございます。ちょっと誤解があってということもございまして、先日も北海道には行かせていただきましたけれども、そんな現地での記者会見もさせていただいたところでございます。

 今御指摘のサイレントマジョリティーという表現についてでございますけれども、これは、特に、あのときのコメントは、まず、沖縄担当大臣というところよりは、自民党の沖縄県連会長としてのコメントに関連するものというふうに御理解を賜れればと思っております。

 委員も御指摘されておりますけれども、沖縄県内、本当にさまざまな意見がございます。そういう中で、私も、在住何年かということもありますけれども、それ以前から、パートナーといいますか、主人からずっと沖縄のことについては聞いていたところでございまして、そういったところをベースにしても、あるいは、本当に多様な意見があるということもございます。そういう中で、私自身、サイレントマジョリティーの存在を感じたという私としての感想を述べさせていただいたところでございます。

○小川委員  あのとき、宜野湾市長選挙があの時期にああいう形で行われることに関して、私はどう感じたか。一言で言うと、宜野湾市民にとって極めて酷な選挙だと感じたんです。

 辺野古移設は、オール沖縄という言葉が何を指すのか、これは少しあやふやな部分がありますが、沖縄県民全体でいえば、かなり反対の声は根強いわけです。そして、相当数あるわけです。

 ところが、宜野湾市民に限って言えば、目の前に、庭先に普天間基地が厳然として存在しているわけですから、それが辺野古なのかどうかは別として、目の前から世界一危険と言われる基地が一日も早く撤去されることを望んでいる。これは当たり前だと思うんですよ。しかし、そのことイコール、新たに海を埋め立てて辺野古に移設を支持しているかどうかとは別問題であります。ですから、本土にいる人間がこのことを正確に理解できないことは、私も過去の経験に照らしてよくわかります。

 しかし、沖縄に造詣の深い大臣であるならば、単純にあの宜野湾市内だけの選挙結果をもって、それを静かなる多数派だとかサイレントマジョリティーだとか、そういうふうに表現することは極めて不適切だ、むしろ、宜野湾市民の葛藤なり苦悩なり、これが極めて酷な選挙だというぐらいおもんぱかった発言をしてしかるべきではなかったかと私は思いますが、いかがですか。

○島尻国務大臣  何度も申し上げますけれども、沖縄の中には本当にさまざまな意見があります。宜野湾の市長選挙というものが事実行われ、そこで一つの結果が出されたということ、ここは事実は事実として捉えるのが当然のことだというふうに思っておりまして、その中で、私としては、いろいろな活動をする中で、私の感想としてサイレントマジョリティーの存在を感じたということを述べさせていただいたまででございます。

○小川委員  沖縄県連会長としての御発言と沖縄担当大臣としての御発言を区別することもできないと思いますし、繰り返しになりますが、あの選挙は宜野湾市民にとっては私は極めて酷な選挙だったと思います。

 したがって、もう一点確認いたしますが、あれは辺野古移設を宜野湾市民が容認した選挙だというふうには言えないですよね。一定、普天間の運用停止なり移設について支持があったという受けとめは私は可能だと思うんですが、辺野古移設を容認した、そういう選挙結果だとは受けとめられないと思いますが、そこは大臣の御認識はいかがですか。

○島尻国務大臣  それに関しては、それこそさまざまな意見がある。

 この間の私の認識といたしましては、とにかく、普天間の飛行場の危険性の除去ということ、それから、普天間返還の日米合意がなされてからもう二十年たつわけでございまして、そこに対して、宜野湾の市民は、一日も早くこの宜野湾の飛行場は返還してほしい、この思いだということは紛れもない事実だというふうに考えています。

○小川委員  大臣にもう一つ、関連して酷なお尋ねをいたします。

 大臣は、まさにこの夏、改選期を迎えるわけであります。六年前の選挙の際には、私ども旧民主党政権にも、結果としてこの問題の大きな混乱をもたらした責任は大きいと思っています。そこは本当に自覚しています。

 しかし、その上で、大臣御自身は県外移設を主張されて選挙を戦われたというふうにお聞きしています。大臣、この夏はどうされるんですか、辺野古移設を容認ですか。この点、非常に酷なお尋ねですが、大臣の御意向をお聞きしておきたいと思います。

○島尻国務大臣  まず、今回といいますか、先ほども申し上げましたけれども、私の政治活動において、やはり普天間の危険性の除去というのは必ずやり遂げないといけないというふうに思っております。合意から二十年もたって、やはり政治としては問題を解決していかなければならないというところから、ここをしっかりと、危険性の除去ということはやっていかないといけないというふうに思っております。

 その中で、私ども自民党県連といたしましては、移設先についてはあらゆる選択肢を排除しないというところでやっているわけでございまして、そういう中において、今、政府では、日米合意に基づいて、辺野古への移設ということが日米合意としてなされているという中での普天間の返還ということになっていることは、これは紛れもない事実でございます。

 その上で、今まさに御議論があった今回の和解条項ということがございますので、今や、この議論というのが、ある意味、法廷に移っているということもございますし、あるいは、私は、きょう、ここに立たせていただいているのは、沖縄振興を担当する大臣として今立たせていただいておりますので、そこに対するこれ以上のコメントは控えたいというふうに思っています。

○小川委員  大臣、もちろん、今、閣僚の一員でいらっしゃるから、その立場上、言えること、言えないこと、あるいは言うべきこと、控えるべきことはあると思いますが、いずれ国政選挙の候補者ですから。しかも、そういった形で戦ってきた経緯がある。そして、あらゆる選択肢を排除しないどころか、辺野古移設しかないんだと政府は言っている。そういう中で、大臣がどういう角度からこの問題に正面から向き合って選挙を戦われるのか、これについては注目したいと思っております。

 もう一点、この宜野湾市長選挙に対する評価も極めて私は不適切だと思うんですが、あわせて、大臣は所信の中で振興予算の確保についても盛んにPRされました。しかし、これに先立つ予算要求、予算折衝の過程で、これも基地問題に絡めてだと思いますが、翁長知事のスタンス、翁長知事がどういう姿勢でこの問題に取り組まれるかと沖縄振興予算の間には影響があるのかという記者からの質問に対して、全くないとは言えない、全くないとは考えていないと明言されているんです。

 これは、沖縄振興担当大臣として、政府は、基地問題と沖縄振興は極めて別問題、しっかり切り離して議論していくというのが公式見解ですし、その前提で議論していただいていると思いますが、大臣、この御発言の真意なり、あるいはそこに込められた思いなり、そこらあたりを少しお聞きしたいと思います。

○島尻国務大臣  今委員の御指摘は、昨年十二月十五日の会見での私の発言だというふうに認識をします。

 そのときには、まず、振興予算と基地問題はリンクしないということはこれまでも一貫して述べておりまして、まさにこのときの会見でも申し上げております。

 その上で、感想としてといいますか、私は、そういう空気感を感じることもありますよということを言ったことは事実でございますけれども、何度も申し上げますけれども、振興予算と基地問題はリンクしないということは一貫しているということは御理解いただきたいと思いますし、その点に関しては、私も何ら逃げ隠れするところはございません。

 それから、先ほどから移設について聞かれておりますけれども、ここはぜひ御理解いただきたいのは、沖縄に住んでいる者あるいは沖縄県民が好んで、辺野古なり、県外、県内のどこだろうが、ここに持ってきたらいいというふうに言う人は誰一人いないということです。

 その上で、先ほどから安全保障の話も冒頭なされておられましたけれども、その中で、苦渋の選択、これまで沖縄の先人たちのそれこそ血を吐くような努力があってここまで来させていただいているということは、ぜひ御理解いただきたいというふうに思います。

○小川委員  もし今大臣がおっしゃったことがそのとおりなのであれば、そういう誤解を招くような、これを言葉尻と言う人もいるのかもしれませんが、そういう誤解を招くような発言すら控えるべきです。よくよく気をつけるべきですよ。全くないとは考えていませんとか言うべきじゃない。そのことに対しては、改めて本当に反省を求めたいと思います。

 それで、ちょっと関連して派生します。

 今、基地問題と沖縄振興予算は全く無関係だということの確認をいただきましたが、きょうは文部科学政務官にお越しいただいています。文部科学省も同じ認識ですね。ちょっと確認します。

○堂故大臣政務官  お答えいたします。

 質問の趣旨がちょっと変化球なので、ちょっと確認させてください。教科書の記述の中の指摘だろうと思います。沖縄の振興基金のことについてお尋ねでしょうか。

○小川委員  今、島尻大臣は、沖縄振興予算と基地問題とは全く別だということを再確認する、誤解を与えた表現があったのならそれは真意と違うという答弁をされたわけです。これは政府全体の見解でしょうから、文部科学省も同じですねとお聞きしています。

○堂故大臣政務官  お答えします。

 そのとおりです。

○小川委員  一方、教科書検定は文部科学大臣の責任のもとに置かれていると思いますが、これは既に訂正がなされたとはいえ、なぜ、帝国書院の教科書で、日本政府も、事実上、基地の存続と引きかえに莫大な振興資金を沖縄県に支出しており、県内の経済が基地に依存している度合いは極めて高いなどという記述を持った教科書を検定認可したんですか。これは誤りじゃありませんか。

○堂故大臣政務官  教科書において、学習指導要領を踏まえて何をどのように記述するかについては、欠陥のない範囲において発行者の判断に委ねられています。

 お尋ねのあった、来年度から使用される帝国書院の現代社会の教科書は、昨年度に検定申請され、教科用図書検定調査審議会の審議を踏まえまして、平成二十八年三月に合格したものであります。

 御指摘のあった記述については、申請者から、四月四日に文部科学省に変更申請がありましたので、内容を確認の上、四月十一日に変更申請を認めたところであります。したがって、沖縄経済の基地依存度が極めて高いという記述は削除されたところです。

 それで、当時の検定が間違っていたのではないかという御指摘だと思いますが、沖縄経済について、基地に依存している度合い等を含めまして、さまざまな受けとめ方があったわけでありまして、昨年度の検定において、検定意見を付して修正を求めるまでには至らなかったというのが事実でございます。

○小川委員  教科書の記述をある程度自主性に委ねるのはそうでしょう。しかし、この記述は一般的な事実や認識を書いたものではありませんよ。日本政府がどうかということを書いているんですから。日本政府が基地の存続と引きかえに莫大な金を沖縄県に支出していると書いているんですよ。最初の検定で、これは明確に違いますよと言うべきでしょう。いかがですか。

○堂故大臣政務官  繰り返しになって恐縮ですが、そのときの状況も、沖縄の経済の状況、基地に依存している度合いが極めて高い云々、あるいはその記述については、修正を求めるまでの記述ではなかったと文部科学省としては判断しております。

 繰り返しになりますけれども、教科書において、学習指導要領を踏まえ何をどのように記述するかについては、欠陥のない範囲において発行者の判断に委ねられているところであり、沖縄の基地問題の記述についても、教科用図書検定審議会がしっかり審議をして合格したものであります。

○小川委員  なぜ、全く異なるのに訂正を求めないんですか。まさに検定委員会の職務怠慢じゃありませんか、不作為じゃありませんか。こういうことは一つ一つ沖縄の心をかき乱し、問題を複雑化し、逆なですることになると思いますよ。

 それから、訂正後についても一言申し上げます。

 訂正後は、日本政府は、沖縄のアメリカ統治が続いたこと、広大な海域に多数の離島が点在していること、亜熱帯であること、アメリカ軍施設が沖縄県に集中していることなど、さまざまな特殊事情を考慮して、毎年三千億円の振興資金を沖縄県に支出し、公共事業などを実施している。これは、沖縄県民から見ると、三千億円全部が特別配慮のように読めるといって怒っているんです。

 違うでしょう。全国各地に普通に行っている公共事業費などと比較して、この三千億円、沖縄県は、例えば県民一人当たりで見ると決して下位ではないが、上位に食い込むような状況ではないはずです。

 この記述もそういった誤解を招きかねない記述ではありませんか。

○堂故大臣政務官  この記述については、平成二十四年五月十一日、総理大臣決定の方針としても、沖縄については、戦後四半世紀余りにわたり我が国の施政権下の外にあったこと等の歴史的事実、広大な海域に多数の離島が散在している、本土から遠隔にあること等の地理的事情、我が国でもまれな亜熱帯海洋性気候にあること等、さまざまな事情を勘案してという記述になっています。教科書もそれを踏まえた記述になっていると思います。

○小川委員  三千億円全部が特別じゃないでしょうと聞いているんです。

○堂故大臣政務官  それは私の所管ではありませんが、さまざまな事情を勘案して三千億円になっているということです。

○小川委員  これを事実と認めるということですか。三千億円が、こういう特殊事情に配慮して沖縄県に、他県と異なってですよ、他県とは異なって全部交付している特別なお金ですということを認めるということですか。追認するということですか。

○堂故大臣政務官  一般的な行政経費も含めてということであります。

○小川委員  政務官、よく御自身でお考えをいただいた上でお答えいただきたいと思いますが、一般的経費も含めて、それはどういう意味ですか。

○堂故大臣政務官  私の所管ではありませんが、一般的な補助金あるいは行政経費を積み上げたものだと思います。

○小川委員  政務官、沖縄政策について聞いているのではないんです。政府の沖縄政策を前提に、教科書で子供たちにどう教えられるべきか、そこに正確性のそごや事実誤認があってはならないのではないですかと聞いているんです。政務官、責任を持って答えてください。

○渡辺委員長  速記をとめてください。

    〔速記中止〕

○渡辺委員長  では、速記を起こしてください。

 堂故政務官。

○堂故大臣政務官  ちょっと失礼します。

○渡辺委員長  では、速記をとめてください。

    〔速記中止〕

○渡辺委員長  では、速記を起こしてください。

 堂故政務官。

○堂故大臣政務官  沖縄振興局の予算の中の三千三百億という意味であります。

 教科書の記述の中では、そのことは関係ないと思います。

○小川委員  答弁の意味がわかりません。

 これは、沖縄県に対する交付金を、全国とは全く異なる余りにも特別なものと誤解を与える記述ではありませんかと聞いているんです。

○渡辺委員長  では、速記をとめてください。

    〔速記中止〕

○渡辺委員長  では、速記を起こしてください。

 堂故政務官。

○堂故大臣政務官  それらのことも、さまざまなことを含めて、考慮して判断されていると思います。

○小川委員  では、こうしてください。

 一人当たりの公共事業費は、沖縄県は、昨年、上位何番目ですか。わかる人がいれば。

○渡辺委員長  では、速記をとめてください。

    〔速記中止〕

○渡辺委員長  では、速記を起こしてください。

 内閣府関政策統括官。

○関政府参考人  お答えいたします。

 私どもで分析しているデータは、公共事業ということではなくて、例えば、県民一人当たりどれだけの国庫支出金が全国各都道府県に出ているのか、これでまいりますと、国庫支出金で申し上げますと、沖縄は、被災三県を除きまして、二十六年度決算では第一位になっているところでございます。

 交付税はちょっと種類が違いますので、財政調整ということはよく御存じですので、それを入れると少し順位は下がりますが、国庫支出金で申し上げれば、一人当たり、被災三県を除いて一位ということでございます。

○小川委員  特に、ソフト交付金が入りましたから、恐らくそれを込めて計算するとそういうことでしょう。

 しかし、政務官、よく聞いてくださいよ、公共事業を中心にして三千億の資金が全部特別であるかのような記述は、事実と違うし、誤解を与えるおそれがある。今後の検定等に当たってはよくよく御留意いただきたい。

 いいですね、政務官。その私の問題意識はしっかり受けとめて、今後の検定を適切にやっていくとここでおっしゃってください。

○堂故大臣政務官  ちょっと変化球なので答弁がどぎまぎして申しわけありませんでしたが、表現上は、沖縄を特別にしたということではなくて、他の都道府県と比較した記述ではなく、振興資金として沖縄県に三千億を提供しているという事実を列挙したわけでありまして、もし御指摘の点があれば、よく検討させていただきたいと思います。

○小川委員  ぜひ、これは沖縄県民の思いもそうですし、また、本土の人間がそれをどう理解するかという面からも極めて重要でありますので、こういったところは本当に細部にしっかり配慮した記述なりが必要だと思います。そういう意味で、しっかりと職責を果たしていただけるように、改めてお願いを申し上げたいと思います。

 もう一点、派生してお聞きします。

 大臣も所信の中で、沖縄一括交付金が非常に有意義であるという趣旨について述べられているんですね。これも派生するんですが、民主党政権時代に一括交付金というのは全国展開されているんですよ。ところが、再政権交代後、全国の交付金は廃止され、沖縄の交付金は役立つと担当大臣が言っている。

 これは制度に大差ないはずなんですが、なぜこんなことになっているんですか。

○福岡副大臣  沖縄につきましては、本土復帰が昭和四十七年となって、累次の沖縄振興法制に基づきさまざまな振興策を講じるなど、本土とは違う特殊な事情があるということは、先ほど先生もおっしゃいましたとおりでございます。

 このため、沖縄の振興交付金につきましては、沖縄からの要望を最大限尊重いたしまして、ソフト、ハード両面から措置することができるように、沖縄振興特措法の改正時に新たに規定を設けて創設された、そのときに小川先生も大変御尽力をいただいたというふうに承知しているところでございます。

 一方、先生がおっしゃいましたように、地域自主戦略交付金は、これは地域の自由裁量を拡大するという目的でございまして、そもそもその目的が違うということで、同様に扱うことは適当ではないというふうに考えております。

 一括交付金につきましては、再び政権がかわりました後、対象事業が従来の補助事業に限定されていることであったり、また、市町村に対象を拡大する場合を考えたときに、年度間の変動や地域間の偏在、こういったものの調整が難しいということであったり、手続の煩雑さ、こういったこともございまして、一括交付金については廃止をさせていただいていますが、趣旨が違う沖縄の方は残っているということでございます。

○小川委員  よくわかりません。目的が違うとはいえ、同じだと思いますよ。各省にまたがった補助金を、自治体の選考に委ねて、取りまとめて交付する、その意味で自由度を高めたという点においては変わるところはないと思います。

 それから、なぜ、沖縄だけ手続が煩雑ではなくて、その他が手続が煩雑なのか、これも具体的に説明できるのであれば、説明してください。

○福岡副大臣  委員も十分御承知と思いますが、沖縄の振興交付金については、沖縄からの要望を酌み取った上で、従来のハードだけではなくて、ソフト、ハード両面から措置することができるようになっているということでいうと、ほかの交付金とは違う位置づけであったというふうに承知をしております。

 手続の煩雑等につきましては、運用の改善の中で対応していきたいというふうに考えております。

○小川委員  ソフトが使い勝手がいいのであれば全国展開すればいいんですよ。誠意を持って御答弁をいただいておりますが、中身において全く納得できない、そのことは申し上げたいと思います。

 大変残念です。岸田大臣には、北方外交、対ロ外交、北方政策、それから核政策等についてもお聞きしたかったところですが、またぜひ時間を改めてお聞きしたいと思います。

 きょうは、沖縄に関連して思いがあるだけに、少し感情も入りましたし、また、大臣にも厳しいことを申し上げましたが、沖縄政策、沖縄の振興発展に与野党挙げて取り組んでいくということに変わりはございませんので、ぜひお許しをいただいて、質疑を終えたいと思います。

 ありがとうございました。

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