民主党 衆議院議員 小川淳也
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〜会議録(1月29日総務委員会での質問)〜

○小川(淳)委員  民主党の 小川淳也 でございます。補正に関連をいたしまして、交付税法の改正案等、お尋ねを申し上げたいと思います。

 土屋先生、大変紳士的な御質問でいらっしゃいましたが、やはり国会議員として、持ち時間は存分に議論の場に費やしていただきたいな、党派は異なりますが、国会議員の一人として希望を申し上げたいと思います。

 大臣におかれましては、大変長時間の予算委員会の審議の後でございまして、お疲れのことと思います。また、私自身、かつてこの地方税財政の場で勤務の機会をいただいたということもございまして、諸先輩方を前に率直なお尋ねをさせていただく機会をいただきましたこと、本当に大変ありがたいことだと思っております。

 中身に入る前に何点か、大臣の御所感で結構です、お尋ねを申し上げたいと思います。

 まず、けさの新聞ですか、昨日、総務事務次官が私ども民主党の藤井税制調査会長に、会見の内容について、御説明をされたのか釈明をされたのか謝罪をされたのか定かではありませんが、そういった一連の経過がございました。

 大臣、この件に関して御承知おきか否か、あるいはどういった感想をお持ちであるか、冒頭少しお伺いいたします。

○増田国務大臣  私どもの次官が、記者会見だったと思いますが、そこで発言した内容を民主党の藤井議員がテレビなどで引用されて、いろいろと内容について批判をされた、こういうことがあったようでございまして、私はそのテレビ番組自体は見ておりませんでしたけれども、そういう話がございまして、次官の方からも、むしろ次官の方から私の方に、藤井議員のところに行って説明をしてくる、こういう話できのう行ったというふうに聞いております。

 今、釈明云々等のお話がございましたけれども、次官の考えているところを率直に藤井議員の方にお話をしてきて、議員の方で御了解されたのかどうかということはありましたけれども、行ってこういう話をしてきた、藤井議員からこういう話があった、そんなことを、きのう戻りまして私も報告を受けたところでございます。

○小川(淳)委員  少し突っ込んで御見解をいただきたいと思うんですが、私自身、かつて自治省で勤めさせていただきました。そして、イギリス・ロンドンで勤務の機会をいただきました。そのときにイギリスの政治、英国の政治文化を間近で見たことが、今こうして自分自身が政治にかかわろうとしていることの大きな原動力の一つでありますが、その際に非常に印象的だったのは、役所の担当者の方、これは局長さんあるいは事務次官含めての方が表立って公式の会見をする、あるいは見解を述べるということはまずありません。閣僚であったり、あるいは各所掌分野を担当する担当大臣という政治家、責任をとれる人が表明するのが通例であります。

 大臣としても、これは恐らく部下の方が大臣に成りかわっていろいろなことを御説明されるという機会だと思いますが、この際、役所の担当の方が公に会見をするということに関して、むしろ控えられたらいかがかと思いますが、大臣、いかがでしょう。

○増田国務大臣  今イギリスのことなども、向こうで勤務された御経験も含めてお話がございました。御案内のとおりイギリスは、公務員と政治家との接触について、独自のルールといいましょうか、これは今までの長い歴史の中で積み上げられてきた、ああいうルールだと思いますが、何しろクエスチョンタイムなどをつくり出したところでございますので、やはり独特のルールがあると。同じ議院内閣制ではございますけれども、公務員制度を含めいろいろと、成り立ちですとか現在のルールは我が国と大分違うところもあると思います。ですから、一概にそれがいい悪いということよりも、むしろ、例の公務員制度改革の中でもそのあたりについては今後いろいろ議論があるようでございますが、そんな議論も見る必要があると思います。

 ただ、我が国の場合には、そういうこともあって、私も、きちんと大臣が責任を果たす、これは大事だと思いますので、私も最低でも週二回はきちんと記者会見し、それ以外にぶら下がりなどはもう常に応じております。次官については控えたらどうかということでございますが、それは恐らくマスコミの皆さん方も情報遮断がされて望まないんではないか、そういうことをすれば、むしろそういった役所の情報を得るということにおいて懸念を示されるんではないか。

 きちんと責任を持った形で、省として一体性を持っていろいろ物事を言っていく必要があると思いますけれども、そういう中で、これも長い我が国のルールの中で、次官が次官会議後にマスコミの皆様方にいろいろとお話をするというルールもございますので、やはりそういうルールなども尊重しつつ、これから適切な運用をしていくということが大事ではないかというふうに思います。

○小川(淳)委員  現時点の御所感は御所感として受けとめたいと思います。

 しかし、本質的な問題意識としては、やはり責任をとれる政治家が責任を持って公に発信をしていく。もちろん、事務次官を初め役所の最も詳しい専門の方々ですので、今大臣がおっしゃった、記者の方々を相手に非公式にブリーフィングをする、あるいは非公式に事務的な御説明をする、これは大いにあって結構だと思います。しかし、公に責任が生じかねない説明をするというのは、できるだけこれは責任をとれる人がやっていくという問題意識、提示をさせていただきたいと思います。

 次に、大臣、御存じでしたらお答えをいただきたいと思いますが、この後、いわゆるつなぎ法案というのは出てくるんですか。

○増田国務大臣  内容等全く私はわかりません。

○小川(淳)委員  地方税法に関連した部分が極めて出てくる話だと思いますが、大臣あるいは総務省に対して、この点、全く何の説明も事前の調整もないという前提で受け取ってよろしいですか。

○増田国務大臣  きょうは実はこのこともいろいろ、先ほどの予算委員会などでも話題になっておりましたけれども、私どもはその内容を存じ上げておりませんし、やはり今出している法案、これは我々が出している閣法でございますが、これを真摯に御議論いただいて、ぜひ年度内に御成立をしていただきたい、こういうことでございます。

○小川(淳)委員  お出しをいただいた閣法を真摯に議論をしたいからこそこういう形で、報道されている限りでありますが、つなぎ法案、衆議院の審議、また特に参議院での審議を、実質手足を縛って一つしか出口がなくなるというような方向へ追い込むこのつなぎ法案については、大臣、地方税制の責任者として懸念をぜひ表明していただきたいと思いますし、これだけ話題になっているつなぎ法案ですから、大臣、世の中では奇策とかなんとか言われています、過去これまでこういう異例の措置がとられたことが歴史的にあったのかどうか、あるいはどういうケースだったのか、大臣、御存じですか、御存じでないか、それだけお答えください。

○増田国務大臣  内容等も知りませんので、過去にどうあったかといっても、ちょっと私にはわかりかねるというのが正直なところでございます。

○小川(淳)委員  大臣、大変残念です。地方税制の責任者であり、今提出された閣法の責任者であり、そして今最大の注目を集めて議論されているこのつなぎ法案、これが一体どういう性格のものなのか、過去にこんなものがあったのかどうか、私は、それはぜひ大臣として御存じいただいて、あるいは勉強された上でここへお越しをいただくというのを期待しておりましただけに、大変残念です。

 参考までに申し上げます。過去四回、つなぎ法案というのが特別に、異例の措置としてとられたようであります。

 さかのぼりますこと半世紀余り、一九五三年、つなぎ法案の提出時期は三月十八日だそうです。この四日前、衆議院が解散しております。二年間下りまして一九五五年、つなぎ法案の提出時期は三月二十四日、さかのぼりますこと二カ月、一月の二十四日に衆議院が解散されております。一九六七年、同じくつなぎ法案の提出はやはり三月の十六日、その前年、十二月二十七日に衆議院が解散されております。一九七〇年の二月十九日、つなぎ法案の提出、やはり前年の十二月二日に衆議院が解散。以上の四例だそうであります。

 つまり、つなぎ法案で、異例の、議論を封殺する形で、今回に限って言えばですよ、数カ月とはいえ税率を維持するがためだけに提出したということは、これは衆議院の解散に伴うものばかりです。

 与党の皆さん、ここにおられますので声は届くことと思いますが、現在、衆議院で確かに三分の二の勢力を誇っておられる、郵政解散に伴って。しかし、その力をもってして、それを前提に、つなぎ法案という形で臨時異例の措置を講じてまで、今国論だって二分しているわけです、私たちだってこれからまじめに議論したい、一生懸命これから議論しようとしている、その出口をふさぐ形で、まず結論ありきという形で……(発言する者あり)

○渡辺委員長  静粛に願います。

○小川(淳)委員  こんなことを検討する。しかも、総務大臣の耳にも総務省にも全く入れていない。おかしいじゃないですか、これは。

 直接与党の皆さんに申し上げているわけではありませんが、ぜひ大臣には、この経過、あるいは一体これがどれほど異例の措置だったのかということの重み、事の重みをしっかり踏まえた議論なり御答弁をお願いしたいと思います。

 最後にお尋ねします。

 大臣、今申し上げたとおりです。過去四度、いずれもその数日から数カ月前に衆議院を解散し、国民の信を問うていた期間中あるいはその直後でありました。だからこそ、こういう異例の形でつなぎ法案という形態をとった。

 衆議院の解散権は内閣にあります。大臣は内閣の構成員の一人であります。今回、つなぎ法案という形であえて世にその正当性を問うのであれば、その前に衆議院を解散して、そこに対して国民が三分の二の力を与えるのかどうか、私は信を問うべきだと思いますが、大臣、感想をいただきたいと思います。(発言する者あり)

○渡辺委員長  静粛にお願いします。

○増田国務大臣  私ども内閣で法案を出したわけですけれども、年度内成立をお願いする立場でありますけれども、一方で、法案を成立するに向けて、後の対応というのは与党の幹事長の方にお任せをしているわけでございます。そうした方で、先ほど予算委員会でもいろいろ質疑を聞いておりましたが、与野党でお話し合いが今継続して続けられているというようなことでございましたけれども、やはり私としては、きちんとこの内閣の法律を成立させるために努力する、そのことに尽きると思います。

 それから、あと、解散の話もございました。これはまさに総理の大権でございましょうから、私が申し上げる筋合いのものではないということでございまして、いずれにしても、私としては、この地方の問題について、今私どもがお出しをしている法律について、成立に向けて全力を尽くしたい、このように考えます。

○小川(淳)委員  大変じくじたる思いがございますが、模範的な御答弁をいただきましたので、この件についてはひとまずおきたいと思いますが、改めて与党の皆さんには、現在お持ちの力に対しては極めて謙虚であっていただきたい、そのことをお耳に届けておきたいと思います。

 本予算について、審議にまだ入っていないわけでありますが、先ほど申し上げましたつなぎ法案等を含めて今最大の焦点であります道路財源、道路特定財源について、大臣のお考えを一点だけ、極めて本質的な点だけ、地方財政とのかかわりにおいて大臣の御見識をいただきたいと思います。

 私たち民主党は、地方財源の確保あるいは地方の財政の安定的な運営に対しては極めて高い関心を持っております。だからこそ、つい先ほど、補正予算案については、政府の無策あるいは朝令暮改、これを理由に反対を表明いたしました。しかし、ここ総務委員会では、この関連法案について真摯に議論をしたい、願わくば地方自治体が困らない形で対応をしたい、そう思って、今、歯を食いしばって総務委員会に出てきているわけであります。

 その地方財源の確保、安定的な地方財政の運営に関しては極めて高い関心を持った民主党の一員としてお伺いをいたしますが、現在、この道路財源、特定財源の議論、さまざまな議論が行われております、地方の財政に穴をあけるな等々ですね。

 少し前置きが長くなりました。大臣、お尋ねいたします。今、地方自治体は財源の確保を求めているのか、財源を確保せよと言っているのか、道路財源を確保せよと言っているのか、その点、大臣の御見識をお聞かせください。

○増田国務大臣  そのことは両者密接不可分でございます。

 自治体といっても、もちろん全国多くの自治体がありますけれども、それぞれ軽重の差といいましょうか、重きの置き方は違うかもしれません。きのう、冬柴国土交通大臣も話していましたが、全部の自治体からいろいろな意見が来ている、こういう話もしておりました。

 したがって、私も地方におりまして、まだまだ高速道路、高規格道路でも途中で切れたりしておりますので、やはり道路の整備のニーズは大変強いだろう、そういった道路整備のニーズが強いところは、当然のことながら財源が確保されないとそうしたものが実現できませんので、そうした道路財源の確保ということを強く望んでいるんだろう、そういったことが今の各自治体の声として届いているんだろうというふうに思います。

 ここで、よく御案内だと思いますけれども、お考えいただきたいのは、地方の場合には道路財源が極めて不十分でございまして、一般財源からもそれを充当している、それから地方債もわざわざ起こしているといったような実態があるということからいいますと、国と地方とそれぞれ問題を抱えていると思いますけれども、オーバーフローの問題も全くありませんし、とにかく、地方の団体はやはり財源のことを大変心配している、それから、地域の活性化のためにも道路整備にも大変強い関心を持ってそのことを訴えているんだろう、こういうことでございます。

○小川(淳)委員  ちょっといろいろおっしゃったので、確認させてください。

 財源の確保、そこはもう私どもも全く共通の思いです。財源の確保なのか、道路財源の確保なのか、もう一回、はっきりお願いします。

○増田国務大臣  今お話しになった違いが、私、ちょっとよくわからなかったんですけれども、道路について、道路財源の確保を望んでいるがゆえに、今、この暫定税率についていろいろと御心配をしているということじゃないでしょうか。

○小川(淳)委員  大臣、今、密接不可分だというお答えを最初のお答えの中でいただきましたが、まさに今、法律上、道路財源と一般財源とは密接もしていませんし可分なんですよね。法律で明らかに別の財源だとされているわけです。そのことを前提に、もう一回お答えください。

 道路財源。もし今のようなお答えだったら、論理的にもお聞きをしたいんですが、私たちは財源の総額確保には全力を挙げたいと思いますよ、思いますが、これを道路に特定している今の制度が果たして本当に地方のためなのか。それは、国交省の道路局にはいろいろ言われているでしょう。そういうことはあろうかと思いますが、財源の確保であれば、それは自治体が道路に本当に使いたければ使えるわけでしょう、一般財源であれば。

 そのことをなぜ大臣は否定をされ、道路財源でなければならないとお考えなんですか。一般財源で、それを道路に柔軟に使える制度にすればそれで済むわけですね。地方財政を所管しておられる総務大臣のお立場としては、そこをもう一回確認させてください。

○増田国務大臣  一般財源か特定財源か、あるいは特定といわずに道路でも結構ですが、一般財源か道路財源かということ、これは、地方財政の中で道路財源はうんと余っているとかいうような、オーバーフローしているということがあれば意味のある議論かもしれませんが、いずれにしても、今、御案内のとおり、道路財源が二〇%なんですよね。ですから、そこを一般化して、今おっしゃったように、福祉どうのこうのというよりも、そこも道路に充てるけれども、それ以外もいっぱい道路に充てているわけですね。

 ですから、むしろ今大事なことは、税率が下がってそこの財源の確保が危うくなるかどうかということを皆さん心配しているんですが、それと今のおっしゃったこととはやはり違うのではないか。地方の場合にはやはり財源の充実ということが一番大事ではないかと。そうでないと、償還財源にもなかなか苦労している自治体の要請にもやはりこたえられないのではないかというふうに私は懸念をしております。

○小川(淳)委員  理屈の上でやはり理解できません。総額の確保には私たちも同じ思いです。しかし、それをあらかじめ、道路に使え、道路だというふうに決めることに関しては、時代の変化とともに私たちは異を唱えたいわけであります。それが、あくまで自治体が自主的に道路に使う、各自治体によっては、道路が今喫緊の課題だというところは大いにそこに使えばいいわけでありまして、この柔軟性を奪う道路特定財源については、やはり本予算の中で改めてこれはしっかりと議論をさせていただきたいと思います。

 冒頭、幾つかのポイントをお伺いいたしましたが、ここからは極めて補正予算に引きつけてお尋ねを申し上げます。

 まず、今回の補正予算を組まなければならなくなりました原因からたどってまいりたいと思いますが、財務省にお越しをいただきました。今回予算を減額補正した理由、そして減額が生じたこと、冒頭、土屋先生の御質問にもございましたが、私はこれは一種の責任が生じると考えております。その責任という概念が生じるのか、生じるとしたら、その責任の所在はどこにあるのか、まず財務省にお伺いしたいと思います。

○川北政府参考人  お答え申し上げます。

 十九年度の税収につきましては、一昨年末に十八年度の補正後予算額をもとに各種の経済指標あるいは税制改正による影響等を勘案いたしまして、五十三・五兆円と見積もったところでございますが、今回、補正予算の編成に当たりまして改めて見積もった結果、〇・九兆円の減額補正を行いまして、都合五十二・六兆円としたところでございます。

 これは、十九年度の当初予算を見積もった後、昨年七月に十八年度の税収の決算が出まして、これが補正後予算額を所得税で〇・五兆円、法人税で〇・九兆円下回ったことによりまして、合計で約一・四兆円の減、土台減が起きたわけでございます。

 こうした状況のもと、これまでの課税実績や足元の経済動向あるいは各種の経済指標等を踏まえまして、今回、先ほど申し上げましたような税収の減額補正をさせていただきました。

 税収見積もりにつきましては、直近の課税実績あるいは足元の経済動向、各種経済指標等、利用可能な客観的なデータを踏まえまして、適切な見積もりに努めているところでございます。しかしながら、当該年度の実際の税収になりますと、その後の経済動向に直接影響されますので、当初の見積もりと決算額との間で結果的に異同を生ずるということがあることは事実でございます。

 私どもといたしましては、引き続き適切な税収見積もりに努めてまいりたいと思っております。

○小川(淳)委員  責任は生じるのか否かをお聞きしています。責任は生じないのか生じるのか、そして、その所在はどこにあるのか、お答えください。

○川北政府参考人  今御説明させていただきましたように、見積もりに当たりましては、直近の課税実績ですとか経済動向、各種経済指標あるいは政府の経済見通し等々、そのとき使えるデータを踏まえまして、適切な見積もりに努めております。ただ、見積もりでございますので、その後、決算が出ましたときに、結果的に異同を生ずるというのは、性格的にはそういう見積もりと決算の差があるというものでございます。

 こうした中で、繰り返しになりますが、私どもといたしましては、その都度その都度、データを踏まえまして、適切な税収見積もりに努めていきたいというところでございます。

○小川(淳)委員  これだけ日本は国も地方も借金財政なわけです。今非常に健全な財政運営がなされている状態であれば、さまざまな御説明はそれなりに説得力を持ちます。しかし、ベースがこの借金財政ですから、あらゆることに対して、財政当局あるいは地方財政当局も含めてです、いろいろな、一見客観的に見える説明に責任意識なり規範意識が欠けているのではないかという前提に立ってこれは議論をしていきませんと、今、国家財政にせよ地方財政にせよ、心配しておられる国民、また我々政治家、これに責任を負っている政治家としては不十分な議論だと思います。

 その前提に立ってお答えをいただきたいと思いますが、今、土屋先生の議論の中で、総務大臣、いみじくもお答えになりました。確かに、過去十年さかのぼると、当たったときはない、それより上回ったときもあれば下回ったときもあります。それは、そのとおりです。

 ちなみに申し上げます。二十年さかのぼりますと、平成に入ってから、平成元年以降、決算との比較でありますが、国税が増額になった回数が十回ですか、減額が九回です。地方税もほぼ似たような状況です、地財計画ベースで。当初の見積もりからふえた年もありますし、減った年もある。

 ここで一つはっきりさせたいんですが、いわば、ほぼ一勝一敗なわけですね、割合からいうと。ふえたときもあるし減ったときもある、その割合はほぼ同じということです。一勝一敗です。大臣、ちょっと御見識をお伺いしたいんですが、これは一勝一敗なら、これでいいですか。当たらないのはそうだとして、一勝一敗なら、これはそんなものだなという御感想ですか。

○増田国務大臣  こういう税収見積もり、まさに経済の先行きの見通しをするようなものでありますので、一勝一敗とかマル・バツでとらえるよりも、でき得る限り正確に予測しつつ、やはり、外れというか乖離は必ず出てくるわけですよね。これは、だれがやっても恐らくそこは出てくるであろうし、政権がかわってもやはりそこは必ず乖離は出てくるんだろう。

 ですから、それに対してより適切な時点時点での対応方策ですね。今話がございましたとおり、二十年の間でずれがどうしても出てくるときに、それぞれの事情、財政状況等も勘案してずれを修正する、それから一方で、地方財政の状況を見ながら措置を講じているわけですが、そのあたりをきちんと責任を持って措置を講ずるということが大事ではないかというふうに思うわけでございます。

○小川(淳)委員  まさに、その責任の果たし方なんですが、私が申し上げたいのはこういうことです。それは当たらないでしょう、こんなものは、当初見込みどおりは。しかし、私が申し上げたいのは、当たらなくていいんですよ、当たらなくていいんですが、同じ外れるなら、今回も減額補正ですが、後でふえて困る人はいないんですよね、ふえて困る人はいないんですから、むしろ、かた目に見積もるという価値基準。

 冒頭申し上げました。これだけ借金財政の中ですよ。これだけ借金財政の中ですから、一勝一敗だからいいとか、マル・バツじゃない、それはそのとおりでしょう。しかし、同じ外れるんなら増額補正の方がいいわな、予算より決算の方が多い方がいいわな、そのつもりで国の財政当局、地方財政当局は見積もっていく責任があるわな、私はそう思いますが、大臣いかがですか。

○増田国務大臣  これは、やはりあくまでも適切に見積もる。かた目とかそういうことではなくて、やはり適切に当たりをちゃんと追求する。そして、乖離がどちらかに生じた場合には、それぞれまたそれをきちんと直視して対応をとる、こういうことじゃないかと思います。

○小川(淳)委員  繰り返し申し上げますが、健全財政やっているときならそれで百点満点ですよ。しかし、国民の皆さんから見て、先生方もそうだと思いますよ、地元でいろいろな声をお聞きする中に、必ずこの借金財政というのは出てきます。これを解決するつもりがあるのかと。私は、そのつもりがなくなったときは政治家なんてやっていませんと言っていますけれども。何とかしたいわけですよ、これを。そのためにはやはりしっかりかた目に見積もって、本当にすさまじい責任感でやっていますという姿勢を見せてほしいわけです、国民の側からすれば。

 財務省は今、増田大臣の答弁をお聞きいただきました、適正に適正に。私はかた目かた目と主張している。かた目かた目と申し上げている。財務省はいかがですか、この点。

○川北政府参考人  私どもは、足元で得られております課税実績をもとに、経済指標ですとか政府の経済見通しと整合性がとれる形で適切に見積もっているところでございますので、どうぞよろしくお願いいたします。

○小川(淳)委員  いや、よろしくお願いされにここに来ているわけではないわけでして、説明を求めているわけです。適切にやっておられるという今御答弁でありました。そうしたら、それを少し論証してください。

 繰り返し申し上げます。私は、かた目に見積もっていたなら何も言いません、この場で。甘いんじゃないかということを問題意識を持ってお尋ねしていますので、少しその前提で御答弁いただきたいと思いますが、財務省にお尋ねします。

 今、委員長のお許しをいただきまして資料として配付をさせていただきました、税制改正の要綱、平成十九年度版であります。前々国会ですか、百六十六回国会に財務省主税局の名前で提出をされています。この点、客観的とか適正とかいう抽象的な言葉が並んでいますので、少し検証させてください。

 まず、資料の二ページ。あえてポイント部分に下線を私の手で引かせていただきました。所得税についてお尋ねいたしますが、(一)「給与所得については、雇用の動向等を勘案し、税額が前年度に対し三%程度増加するものとして算定した。」この数字的な根拠、財務省、お教えください。

○川北政府参考人  十八年度の実績見込みを十一兆七百五十七億円と見まして、そこに政府経済見通しによります雇用者報酬の伸び率二・八%を乗じまして、改正増減収等の影響を加味いたしまして三%と見ております。

○小川(淳)委員  雇用者報酬の伸びは今二・八とおっしゃいましたか。資料の三ページ。私が間違っていたら教えてください。主要経済指標の見通しもこれは丁寧に添付されておりますが、この二・六と、今おっしゃった数字は違うんですか。

○川北政府参考人  申しわけございません。二・六でございました。

○小川(淳)委員  再び財務省の御見解をいただきたいんですが、私はかた目と申し上げているつもりですから、これをもし二・五とか二で計算していれば、この場では何も言っていませんでした。なぜ二・六を三にしたんですか。

 委員長、余り時間かかるようでしたら、速記をおとめいただきたいと思います。

○渡辺委員長  どうですか、川北審議官。答弁を迅速に。

○川北政府参考人  政府経済見通しの二・六%を基礎にいたしまして所得税の税収として判断したものでございまして、二・六を三に切り上げたとかそういう趣旨ではございません。

○小川(淳)委員  いや、理由を聞いているんです。二・六が三になった根拠。適正、客観的、中立と延々おっしゃっている、その計算式を教えてくださいと言っているんです。

○川北政府参考人  二・六%を乗じたものでございます。

○小川(淳)委員  そうしますと、これは何ですか、この税収見積もりの中に三%と見込んだというのと今の御説明とは食い違うんですか。整合しているんですか。

 委員長、余りお時間かかるようでしたら速記をおとめください。

○渡辺委員長  では、時間とめてください。速記とめてください。

    〔速記中止〕

○渡辺委員長  速記を起こしてください。

 川北審議官。

○川北政府参考人  お答え申し上げます。

 先生が御指摘になりました資料、私どもの提出した資料でございますけれども、計算上二・六で税収計算いたしておりますが、ここでの資料の上で三%程度ということで御説明させていただいております。

○小川(淳)委員  それはそういうことでいいんですか。計算上は二・六を掛けているということ、数字の上からは。ここは丸めて三と書いているということですか。そういうことなら、ややこしいですから、それは正確に書いた方がいいんじゃないですか、翌年度から。

 もう一つお聞きします。今の所得税、ついでに、もっと開きがある、今回の主要な原因になっています法人税、これはどういう試算ですか。

 いや、私はいいんですよ、これはえいやでやりましたなら、それでいいんです、そう言ってくれれば。だから、それはかた目に見積もるべきでしょう、そのとおりですねという議論ならそれでいいわけですよ。それならそれでお答えください。

 法人税、これはどういうことですか。今の資料に戻ります。二ページ、(三)ですね、傍線部、「生産、物価、消費の動向等を勘案し、法人の年税額は、前年度に対し六%程度増加する」。六%。これは六なんですか、五・幾つなんですか、お答えください。

○川北政府参考人  お答えいたします。

 法人税収の見積もり方法につきましては、政府経済見通しにおけますそれぞれの指標をもとに、法人の決算期別の伸び率を算出いたしまして、最終的に合計したものを御提出しております。

 数字は、先ほど申し上げましたとおり、程度ということで、四捨五入してお示ししております。

○小川(淳)委員  決算期で入り繰りがあるという議論は、それはあり得るんでしょう。しかし、これは数字がえらく乖離があるように私には見えるんですけれども、間違っていたら正してください。

 六%伸ばしているわけでしょう、六%。この中の、いいですか、「生産、物価、消費の動向等」とありますね。これは、「生産、物価、消費の動向等」、資料をおめくりいただいて、三ページですが、民間最終消費支出は一・六%ですよ。消費者物価は、一番下、〇・五。国内企業物価〇・七。そしてもう一つ、詳細の方に説明がありますね、鉱工業生産二・一。

 一・六、二・一、〇・七、〇・五をどう合成すると六%、一〇六になるんですか。

○渡辺委員長  速やかに答弁願います。

○川北政府参考人  先ほど申し上げましたように、大法人につきましては、決算期ごとに十八年度の年税額を試算いたしまして、それに対して指標を合算したものを計算いたします。加えまして、繰越欠損金を解消いたしました法人につきましてはその部分を試算して加えまして、都合お示ししたような数字としたと思います。

○小川(淳)委員  最初の話に戻るんですが、これは本当に、こういう時代ですから、かた目の見積もりをやはり財政当局としては当然やるべきだと私は思いますし、減額補正なんという事態はやはり避けるべきですよ。そして、説明も、だれもこんなもの見ないんでしょうね、今まで、こんな細かいもの。これはやはり見ないとだめですよね、我々国会議員も。こういう時代ですから、しっかり説明責任を果たしたような記載にする必要があるでしょうし、そのことをちょっと強く指摘をしたいと思います。

 繰り返しになりますが、適正適正、中立中立と言うのはいいんですけれども、私、〇・一でも割り落として計算していたら何も言いませんよ、本当に。そういう姿勢でぜひ臨んでいかないと、これは国民的な理解は得られません、国も地方もこれだけ借金財政をやっているんですから。

 その前提で、今度は地方財政についてお尋ねを続けます。

 今回の改正案、大きく三点ございますが、まず一点目、地方交付税の総額の確保。

 これは確かに大事でしょう。しかし、今ごらんいただいたように、減額補正が二年に一回あるわけですよね、まあ、決算との乖離もありますが。減額補正そのものは十四年以来ですか。

 これを考えますと、年内早い時期に、十一月ですか、最後に概算交付してしまうという制度そのものからこれは見直ししていくべきではありませんか、将来的に。大臣、いかがですか。

○増田国務大臣  お答えいたします。

 今、地方交付税の交付の時期といいますのは、御案内のとおり、これは法律で決められているわけです。四、六、九、十一と四回に分けて配るということですが、これは長い間のこういう地方財政の状況、すなわち資金需要ですね、資金がどこに一番需要が出てくるかといったようなことも含めて、それでこういう配分をしているわけですね。特に年末、年度末じゃなくて年末ですけれども、そのあたりで非常に大きな資金のカーブが上昇してきますので、そういったことも踏まえてこうした配り方をしてきたという長い歴史があるんだろうと思います。各公共団体の方でも、そうした中で予算編成をしたり、それからあといろいろ資金需要等の多様なやりくり等もやってきたということが実情でございます。

 むしろ私は、交付の時期というよりも、今少し説明がおぼつかないような感じがしたんですが、そこの見積もりをきちんとする、そしてきちんとした計画をする、それを公共団体も見て、いろいろみずからの予算をつくっていくということが必要じゃないかなというふうに考えております。

○小川(淳)委員  この二千九百九十二億円、財源はどうされますか。

○久保政府参考人  平成十九年度当初の地方財政対策、一年前になりますけれども、その時点におきまして繰り延べることといたしました法定加算分というのが六千二百五十一億円ございまして、これは地方交付税法附則第四条の二第二項、そして第三項におきまして、平成十九年度の交付税総額に加算することと本来されていたものでございます。それを後年度に繰り延べたということでございます。

 この中で、後年度に繰り延べました六千二百五十一億円のうち、このたび、歳入が不足した、交付税が不足した二千九百九十二億円をまたこちらに戻して埋めようというのが今回の改正案になってございます。

○小川(淳)委員  後年度の財源を繰り入れるだけの余裕は後年度にはあるんですか。

○久保政府参考人  我々、地方財政対策をやりますときに、例えば三位一体で所得税が減る、それに伴って交付税の原資が減るといったときに、その激変緩和といいますか、そういったことをどうしようかというのを議論して、そして何年後にそれを補てんしようといったことを決めて、そして法律で、その時期が来たときにまた、何年には幾ら加算をする、何年には幾ら加算をするといったことをその都度法律化してお願いをして決めているということでございます。

 このたびは、十九年度に本来法定加算されるべきものが六千二百億円ぐらいあって、昨年度の場合には、法定加算しなくても地方財政対策ができるという判断をして後年度に繰り延べたといったものでございまして、それをこのたびは本来の十九年度にもともと加算できたということがございますから、また改めて法改正を今お願いしているということでございます。

○小川(淳)委員  これは、繰り延べていたものを引き戻す、そのときに財源があるかどうか今お尋ねしたわけです。

 関連して二番目、交付税特会の借入金の償還計画。これを今度は、ことしと来年返すのをやめて後年度に返しますと言っている。片や後年度からお金を持ってくる、片や現年あるいは翌年から後年度へ返済すべき借金を繰り延べていく、これはどういうことですか。どう説明するんですか、これは。

○久保政府参考人  今、特別会計の借入金の償還の延期の話でございましたので、それについてお答えをいたします。

 御案内のように、十九年当初の時点で考えますと、地方税と交付税原資でございます国税、ともに好調な伸びがあったということでございまして、中期計画でございます「日本経済の進路と戦略」、これに参考の試算というのがございますけれども、その名目成長率も勘案して、当時新たな償還計画を策定したということでございましたが、その後の地方税、そして国税の伸びが鈍化をしております。

 それを考慮いたしますと、地方公共団体に配付をいたします出口ベースでの地方交付税総額の確保がなかなか容易でないということがございまして、私どもといたしましては、この出口ベースでの地方交付税総額の確保を優先しなきゃいけないと考えたわけでございます。

 そこで、まず今御審議をお願いいたしておりますが、平成十九年度の償還を平成二十五年度以降に繰り延べた上で、当該償還予定額、約六千億円でございますけれども、これを平成二十年度の交付税総額に加算をするということを今お願いいたしております。そしてまた、当初予算関連、今後御審議をいただくことになろうかと思いますが、これで平成二十年度と平成二十一年度の償還もそれぞれ平成二十六年度、平成二十七年度以降に繰り延べるということにいたしております。

 そして、繰り返しになりますけれども、平成二十年度の地方交付税総額を確保したいということでございます。

○小川(淳)委員  局長、お言葉ですが、これは、正確な答えはわからないという答えだと思いますよ。後年度にこんな財源があるかどうかわかりません、後年度、これを繰り延べて本当に返せるかどうかわかりません、これが正直な答弁だと思いますよ。先ほど来、翌年の収支でさえわかりませんと言っているわけですよ、当たりませんと。これはもう、皆さんよくよくおわかりだと思いますが、わからないことをあたかもわかるかのごとく、幻想を振りまいて借金を積み重ねてきた。これは地方財政当局として本当に大きな責任を感じていただかなければならないことです。

 これはもちろん、国につき合って景気対策もやってきた、やらされてきた、そういった事情もあるでしょう。しかし、そのときに、本来この議論をずっと避けてきたわけです。本当に必要な金なら、交付税の繰り入れ率を、法定率を繰り上げる議論をもっと早くにやるべきだった。なぜその真正面、正面突破の議論を真剣にやらずに、こういう形でツケを先送り先送りしてきたのか。少なくともこの点に関しては、地方財政当局は大きな責任を感じるべきだと思います。今や、もはやこの期に及んでは、地方財政計画をつくられたって本当にこのとおり交付税がもらえるのか、交付税で元利償還、措置をします、それで本当に金は来るのか、むしろ不信と不安のまなざしで自治体から見られているんじゃありませんか。

 この本質的な議論は、今回この補正関連、いろいろな要素が出てきますから、改めてその議論、諸先輩方を前にではありますが、きちんとさせていただきたいと思います。

 ぜひここで、せっかくお出ししている資料ですので、先生方にも御確認をいただきたいと思いますが、四ページは地方債残高の推移です。平成元年当時にはわずか五十兆だったものが、一時は百五十兆近くまでずっとふえ続けています。特会の借入金残高、あえて手書きでメモを入れさせていただきました。単年度ごとの地方負担分の増加の様子です。

 さらにおめくりいただきまして、五ページ。特会の借り入れをやめた、縮小したことに伴って、今度は地方に臨時財政対策債という形で、真ん中の欄です、年間二兆円から三兆円、借金が積み上がっています。

 そして、これはもう堂々めぐりの議論になるんですが、臨時財政対策債はやがて交付税に一〇〇%算入をされますという美名のもとに、不安定な財政状況を、さらに雪だるま式にふやしていくことになります。こういうことを一体いつまでこの国はやり続けるのか、我々一同が本当に心して考えなければならないことだと思います。

 最後の資料もあわせてごらんをいただきたいと思います。これはまさにつじつま合わせの資料です。

 積み上がった三十三兆円余りの交付税特会の借入金、十九年から三十八年まで、二十年かけて返済します。その返済額たるや、少ない年で五千億から六千億、多い年は三兆円、毎年返していきます。一体これを見て、はあ、なるほどと思う人が、自治体関係者、我々国民の間にいるでしょうか。まさに、こういうことをずっと先送ってこの惨状にあるわけです。

 あえて地方財政当局に申し上げますが、この交付税の需要額を大きく膨らませてきた最大の要因は、事業費補正、動態補正を交付税の算入措置に大幅に入れ始めたこと、ひいては元利償還、措置をし始めたこと。ここからです、大幅に需要額が膨らむ、需要額が膨らむから、足りない足りないと借金をする。

 大臣、ちょっと思い切ったことを申し上げますから、御所感を最後にいただいて、今回のこの関連法案に関する質疑を閉じたいと思いますが、私は、個人的な見解も含めて申し上げます。

 確かに平成元年、バブル崩壊以降、地方は大変な国の景気対策につき合わされてきました。これで積み上がった借金が恐らく地方債のうちの三分の二、少なくとも半分、事業費補正あるいは元利償還という形で積み上がってきました。

 私は、これは一たん国で引き取るべきだと思います。清算事業団方式、いろいろあろうかと思いますが、一たん国でそれは買い上げる、引き取る。そして、自治体の経営に息を吹き返させたら、以後交付税については動態補正はやらない。自治体の裁量、これはもうこんなことをやると財源の分捕り合戦になります、完全に外形標準で交付をする。そして、最後、地方債、今回の改正案とも関連しますが、地方債については、もう自治体は、古い言葉でいえば、禁治産者でも何でもありません。自由に借金を起こし、地方債を起こすことができる。

 こういう自立的な仕組みへと大きく転換をしていくべきだと私は考えますが、大臣、今の現実の制度を所管しておられる立場、余り思い切ったことは言えないでしょうが、御所感をいただきたいと思います。

○増田国務大臣  地方の方の借金は随分積み上がったわけでございますが、これはやはり景気対策の影響が大きかったと思いますね。そういったことで、平成、特に四年ぐらいから十年ぐらいの影響が大変多かったんだろうと思います。借入金の残高も、足し合わせて、一時期二百兆を突破して、二百一兆だったでしょうかになったのを、やっと百九十九兆、それから百九十七兆と、ここ一、二年で減らす方向に持ってきた。

 例えば、交付税にしても何にしても、一番我々の、地方財政を安定化させるということからいえば、法定率をその都度、何年かで見積もって、それで足りないということであれば法定率を上げる、これが制度の本来の、当初の趣旨だったんだろうと思いますが、やはり常にこういったときに問題になるのは国の財政状況との関係でございまして、地方財政も大変規模が大きいものですから、そういった大きな制度改正を行うと、どうしても国の財政がどうかということと連動してくる、こういうことでございます。

 ですから、今お話がございました、議員から御提案がございましたような、そうしたもので積み上がった部分は国に全部引き取らせる、こういうことでございますが、そうすると、一体国の方の財源手当てをどうするのかということがございまして、そのために、それでは今の状況からいえば、消費税をどうにかするのかとか、いろいろな議論にもやはり波及してくる。

 今議員からお話ございましたとおり、やはり地方の財政をきちんと確立できれば、地方債の発行なども今後もっともっと自由化の方向に向かっていくべきであろうし、そのためにいろいろな制度も変えていくべきだろう。やっと許可制から協議制になりましたけれども、もっと自由化ということを真剣に考えていいと思っていますし、やはりこれからの地方財政のあり方、自己責任という部分をもっともっと各自治体も重く受けとめなければならないと思っていますが、一定の財政規律のもとで制度を変えていくという、新しい白いキャンパスに絵をかくわけではないので、今の中から痛みを最小限にしつつ、どう変えていくかということでございます。

 今御提案しているものがこの時点では知恵を振り絞ったものでございますし、財政健全化の方向、ごくわずかではございますが、ここ二、三年、借金の残高も減らす方向で歩みを始めてきておりますので、ここでやはりきちんとした方向を、特に内閣がかわって、今回いろいろ苦労しましたけれども、交付税の総額自体は、今までずっと削減しているものを地域の実情に合わせるべく増額もしてございますし、もちろんこれからいろいろ御議論をさせていただきますけれども、ぜひこのあたりについても御賢察の上、今回のこの補正の措置についてもお認めいただければ、このように考えております。

○小川(淳)委員  ありがとうございました。

 大臣、まさに今消費税率の話もおっしゃいました。もう本当に、今、地方財政に関して申し上げました、繰り入れ率を真っ正面から議論すべきだった、そして我々政治家はこれまで、消費税率も含めて、本当に必要な議論を避けて通るべきではなかった。我々政治家全体の責任も、本当に厳重に皆さんとともに自覚したいと思います。

 そして、最後に交付税。法案に対する大きく三つの対応、私ども民主党は、実務的な協議の中で大変思い悩みましたが、ひとまず財源確保、そして償還の繰り延べに関しては、自治体への影響を大変重大に受けとめておりますし、また、減収補てん債の発行についても、さらに長期、中長期安定化の措置を講じて、むしろ自治体の裁量をふやすべきだという観点からの議論を、実務的に与党の皆さんともさせていただいたところです。そしてあわせて、これら、今回の法案に対するさらに課題と思われる点については何らかの意思表明を国会としてした上で、この関連法案に対しては対応をさせていただきたい、その議論を積み重ねてまいりましたこともあわせて申し上げ、ひとまず質疑を終わらせていただきたいと思います。ありがとうございました。

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