民主党 衆議院議員 小川淳也
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〜会議録(06年11月10日内閣委員会)〜

○小川(淳)委員  民主党の 小川淳也 でございます。

 大臣、副大臣におかれましては、大変長時間の御審議、本当にお疲れさまでございます。また、委員の皆様もお疲れかと存じますが、もう一踏ん張り頑張ってまいりたいと思います。

 冒頭、大臣から大変ありがたい御報告がございました。みずから調べて報告をしたいと言ったことについて、三点、御報告いただいたわけでありまして、私、委員会審議でああいうのを初めて拝見しました。委員会に対する、国会に対する姿勢のお示しになられ方として、非常に敬意を表させていただきたいと思います。

 その上でお尋ね申し上げます。

 冒頭、小泉前総理のリーダーシップでこの道州制の議論がそもそも始まったのかどうか、その点、改めて確認させていただいてよろしいですか。

○佐田国務大臣  先ほどもお答えさせていただきましたけれども、これは新聞でありますけれども、新聞報道等によりますと、平成十五年八月二十六日に小泉前総理と高橋知事が面談をし、その際、北海道における道州制に向けたモデル的な取り組みについて話題となったことが道州制特区の一つの契機と認識しておりますけれども、具体的なやりとりは、私は理解はしておりません。

 いずれにいたしましても、その後に具体的な検討が始まったのは、平成十五年十二月十九日の経済財政諮問会議における議論である、こういうふうに考えております。

○小川(淳)委員  ありがとうございました。

 同趣旨のことを、平成十八年の二月二十八日、総務委員会、竹中前総務大臣が我が党の渡辺周委員の質問に対してこのように答弁されております。「そもそも道州制特区は、道州制を考えるに当たって、北海道に関しては、道州制が将来とられたとしても多分今の形がそのまま道として残る」「いろいろな取り組みを先行的に始めやすいはずだという総理御自身のリーダーシップによって始まったものでございます。」これは竹中前大臣の答弁であります。

 これはこのとおりでよろしいですね。これを否定されるということはありませんね。

○佐田国務大臣  否定であるとか肯定というよりも、竹中さんがそう言われたんであるならば、それは多分議事録だと思いますから、そう言われたんだと思います。

○小川(淳)委員  私は余り揚げ足をとるようなことを申し上げるのは本当は嫌いなんですが、二つだけ確認させてください。

 大臣は、十一月八日、本内閣委員会における我が党の市村委員とのやりとりの中で、こう答えられました。今回の場合は、北海道の道民のいろいろな意見を聞いて、その中から、別に試験的にやるということではなくて、手を挙げられたわけでありまして、手を挙げられたわけですから始めていくんだという趣旨のことをおっしゃっている。これと、さっき冒頭御報告されたこと、ないしは竹中大臣の御答弁を否定されなかったこと、これは矛盾しませんか。

○佐田国務大臣  ですから、私が申し上げているのは、つまり、高橋知事が経済財政諮問会議でそのように申されて、そしてそれが始まったわけでありますから、その中で、特定広域団体を含めた意味合いで今度の法律の中で政令で定める形になってきたんではないかと思っております。

○小川(淳)委員  林副大臣に重ねてお尋ねいたします。

 副大臣も、同じく十一月八日、本内閣委員会の会議の最中、我が党の逢坂委員の質疑に対しまして、今お尋ねのありました議論の発端、問題意識、最初におっしゃられましたけれども、まさに北海道がなぜ最初のモデルなのかというところにもかかわってくる、まさに地方発のアイデアだということが端的にあらわれておりますのがこの経過でございますと副大臣は御答弁されております。この点、いかがですか。同じ問いです。

○林副大臣  今委員が御指摘のあった答弁をいたしたと思いますが、先ほど委員会の冒頭に大臣から御説明のあった経緯でございます。それで、それにつきましては今大臣から御答弁があったとおりでございまして、そのアイデアをそれ以前から高橋知事もお持ちであったし、道州制についてはいろいろなところで御議論があったというのは、今までの御審議の中でも常々議論があったところでございます。

 そのいろいろなことの中で、最終的に、正式に北海道知事が経済財政諮問会議に来られて、十二月の十九日、この間申し上げたように、そこで正式にやってみたいという御提案があったということの趣旨を申し上げたというふうに御理解いただけたらと思います。

○小川(淳)委員  もう余りくどくど申し上げません。私が申し上げたいのは、これはやはり政府として推進していくんだという強い意思があってしかるべきなんですね。そのエンジンがどこにあったか。小泉前総理が北海道からモデル的にやってみたらどうだという発想をされたとしたら、これは私はすばらしい発想だと思いましたよ、当時、報道を見て。

 それは大いに政府として責任をおっかぶるべきですよ。しょっていくべきです。北海道が手を挙げたからやるんだとか、彼らの自発的なあれなんだとか言ったら、北海道の人は困りますよ。政府としてこれはやることです。そのことは決してあいまいにされないように。もちろん、北海道の意見をよく聞いて、彼らの協力を得てから進めることは当然だと思いますが、あくまでこれは政府として、将来の国家像を考えていくに当たってやっていくんだということからは一歩もお逃げにならないようにぜひお願いをしたいと思います。どうぞ。

    〔西村(康)委員長代理退席、委員長着席〕

○林副大臣  委員御指摘のとおりでありまして、発端は地方発で、地方発のことはすばらしいというふうに申し上げたつもりはございますけれども、だからといって我々に責任がないとかそういうことではなくて、まさに内閣府として責任を持って法案を提出させていただいて、取り組みも進めていくということで御理解を賜ればと思います。

○小川(淳)委員  その点だけ確認させていただければ満足であります。ありがとうございました。

 そして二つ目。さきの委員会の質疑の中で、四百回ですか、タウンミーティングを行われた。これは、私自身、あるいは我が党我が会派としてのお願い、要請になりますが、具体的に、どこで、いつやられたか、資料の提示をいただく、あるいは御説明いただく、きょうでなくて結構です、これは御検討いただけますか。

○山崎政府参考人  お答え申し上げます。

 御指摘の点は、これは北海道庁等の方で、道内の市町村とか道民を対象に意見交換会を行った、これが延べ四百回と聞いてございます。

 これはちょっと資料は道庁の方の資料になりますので細かくはわかりませんけれども、今申し上げました内訳として、例えば、平成十六年度におきましては市町村が主催で七十回、さらに、十七年度は市町村の主催で三十一回、十八年度は九回、こういった数字についてお伺いしている次第でございます。

○小川(淳)委員  これは要請になりますが、改めて、既に教育基本法をめぐるタウンミーティング等でああいう遺憾な事態も発生しております。そういう意味でも、十分な御説明ないしは事実関係の確認をしていただきたいと思います。これは、各個別の資料、もちろん北海道庁の協力を得ないといけないんだと思いますが、当委員会に資料を提出していただくことをお願いできますか。あるいは理事会でお諮りいただくようにお願いをしたいと思いますが、いかがでしょうか。

○佐田国務大臣  それは説明会でありますけれども、四百回の説明会、並びにタウンミーティング、これは九州の方でもやっております。それから、北海道では稚内、こういうこともすべて資料にして出させていただきます。

○小川(淳)委員  御協力ありがとうございました。

 それでは三点目、きょう午前中、四名の有識者の方、参考人をお呼びして、いろいろな御意見を承りました。これももちろん院として、内閣委員会として承ったものですが、これは政府にとっても大変参考になる意見が多かったと思います。大臣あるいは副大臣、要点だけでもお聞きになられましたか。それとも、そんなお時間は今のところございませんでしたですか。

○佐田国務大臣  すべてではありませんけれども、四人の方の御意見をある程度、全部じゃありませんけれども、聞かせていただきました。

○小川(淳)委員  もちろん、積極的に評価される御意見も中にはございましたし、あるいは、大臣、副大臣にとっては非常に耳の痛い御意見もあったことも事実でございます。

 それらを含めてここで議論を進めていくわけでありますが、特に私が非常に心にとどまりましたのは、やはり今回の道州制特区法案、これは道州制を本当に目指しているのかどうか不明であるといった意見、道州制という名前を冠しただけじゃないかという御意見、あるいは道州制という本来の姿に関して本質的な議論が不足しているんじゃないかという御意見がございました。いずれも大変耳の痛い御意見だと思いますが、よくこれは耳を傾けていただいて審議の方に臨んでいただきたいと思います。

 やはり大事なことは、本来の道州制とそれから今回の道州制特区法案、これが別物だということ、既にもうこの間の審議の中で大臣お認めになっておられます。

 もうこの際、それを前提に参りたいと思いますが、この本来の道州制は、大臣、本当に日本に必要ですか。大臣は、御自身として、道州制担当大臣として、近い将来道州制を日本に導入したいと本気で考えておられますか。

○佐田国務大臣  まず、その前提として、道州制と今議論している道州制特区推進法は、要するに、将来のビジョンとしては道州制はありますけれども、今現在では違うものであるということは御理解いただきたいと思います。

 それともう一点は、ぜひ御理解いただきたいのは、行政改革、先ほど渡辺委員の方からありましたように、地方分権を進めるということは六割ぐらいの方々がもうこれは同意をしている、そういうお話がありました。これは、今の財政面を考えても、委員はもうベテランですから、役所にもおられてよく御存じのとおり、やはりそういう中において、できる限り行政のぜい肉はそいで、そしてまた本当にしっかりとした行財政改革も行っていかなくてはいけないというのは基本的な考え方であります。

 それと同時に、先般通った行政改革推進法にもありますように、本当にスリム化を具体的に進めていかなくてはいけないという現状もまたあるわけであります。

 その中で今回の法案があるわけでありますけれども、その中において、道州制ということで一番私が考えているのは、先生先ほど言われましたけれども、要するに国がちゃんと責任も持たなくちゃいけませんよ、これは当然のことだと思います。もうやったから私は知りませんよじゃなくて、やはり国と地方との役割分担。

 それともう一つは、地方が、我々はこういう地方分権、つまり税財源の移譲であるとか権限の移譲を望んでいるんですよ、今回の場合は北海道でありますけれども、そういう意見を聞きながら、できる限りのスリム化をしていく。そしてまた、違うところの特定広域団体が出てきた場合には、また同じような形で国もしっかりと一緒になって地方分権を進めていく。そういうことを考えて、将来その道州制のビジョンをつくらせていただき、そしてそうなっていけば、非常に効率のいい、小さな政府を実現できますし、国民のためにも非常に有意義なことである、私はこういうふうに思っております。

○小川(淳)委員  道州制議論の本質論をつかまえたいと思っているんですが、今大臣から、ぜい肉とか行革というお言葉が出ました。道州制というのは行革ですか。

○佐田国務大臣  道州制は、私は、少なくとも今度の法律については行政改革だと思っております。

○小川(淳)委員  済みません、しばらく道州制本体の議論、本当にすべき本質的な議論におつき合いをいただきたいと思いますが、本来の道州制とは大臣にとって何ですか。何を目指しているのが道州制ですか。

○佐田国務大臣  それはやはり、今非常に広域行政が必要になっております。その広域行政、いろいろな、例えば地域の産業であるとか、または観光を含めても、一つの例でありますけれども、広域行政が必要になってきておる。そしてまた、委員も御案内のとおり、三千三百あった地方自治体が今千八百くらいになっております。そういう流れの中におきまして、要するに、道州制というのは行政改革に資するものだと私は思っております。

○小川(淳)委員  副大臣、何かございますか。

○林副大臣  御指名ありがとうございました。

 大臣が今行革、またいろいろなことを御答弁されたわけでございますが、まさに、まだ委員が役所におられたころかもしれませんが、二十七次、二十六次、ずっとこれは議論をしてきておるわけでございまして、国と地方の双方の役割を再定義する、こういうような趣旨のことをずっと御議論していただいているようでございます。

 東海道五十三次というのがございますが、あのころは、もう江戸から大阪に行くまでに物すごい時間がかかっていた。今はもう、私も、北九州空港ができますと日帰りを毎日しても一応物理的には可能なぐらいになっているわけでございまして、それだけ変わってきた。物理的な距離のみならず、いろいろな距離が縮まってきた。

 こういう中で、国と地方の役割を再定義して、さっき二層、三層の議論もございましたけれども、そういうものをグランドデザインとしてきちっと提示する、そのために道州制を議論しようではないか、やはりこういうところに一つの大きな今回の道州制に向けての議論の盛り上がりというのがあるんではないか、そういうふうに認識をしております。

○小川(淳)委員  目下のところ、大臣、副大臣のお務めはこの法案を通されることだと思います。しかし、本来の道州制に対して、この国の道州制担当大臣、副大臣ですから、本来の道州制とはいかなるものか、一体この国をどこへ引っ張っていこうとされるのか。そこには、やはりある種の哲学といいますか、本質をとらまえた感覚をぜひお持ちいただきたい、私はそれを本当に願ってやみません。

 そこで、道州制の本質に関してはいろいろな議論、割と地制調の答申というのは非常によくまとまっていますね。幾つか読み上げますので、同感か、あるいは違和感を感じるか、お答えをいただきたいと思います。

 その前に、十八年の二月の六日、中川当時政調会長ですか、現幹事長が予算委員会で竹中大臣に対して質疑をされました。その中で、国土計画研究会の伊藤滋先生の報告書を少し引用されているんですね。

 道州制は、東京一極集中と地方の衰退から日本を救う道だというくだりがございます。道州制の創立によって、新しい州は情報、産業を引き寄せる。州の都となるところは、国政を分担する。労働団体、市民団体、芸術・スポーツ団体、外国機関、さまざまなものが集まり、一大情報拠点となる。州都はまさに日本の複数の中央をつくる。気鋭の士を引きつけるであろう。中央集権のもとで、全国画一体制のもとで力を発揮できなかった人たちのエネルギーが、産業を興し、教育を見直し、豊かな地域をつくる。日本は州都を中心とした多極的な経済構造をつくっていく。

 こういったことを引いておられますが、これは同感ですか、違和感を感じられますか。

○佐田国務大臣  私は決して違和感は感じませんけれども、将来的にそういうふうになるんであろうと私も思います。

 しかしながら、私が考えているのは、この法律を通していただければ、道州制のビジョンをつくる場合に、例えば州都なら州都、ここにはこういう権限、税源、財源を移譲するんです、要するに、特定広域団体にはこういうものを移譲するんです、そういうふうな形で、私は北海道は北海道でそういうものができると思うんです。違うところの特定広域団体は特定広域団体で、みんな特徴があると思います。九州だとか、例えばうちの方の関東であるとか東北であるとか。

 そういう中において、その独自性の中において、やはり今言われたような一極集中を防いで、その独自性のところに人も集まりますし、資本も集まってくるわけですから、そういう意味においては、むしろその独自性を大事にしていけば、今言ったような一極集中を防いだ、州都は、いろいろな形で、文化だとか医療も教育も全部集めたような一大拠点になっていくのではないか、こういうように思っています。

○小川(淳)委員  ありがとうございました。

 要点をうまく整理して議論を進めていかないといけないんですが、地制調の答申を御紹介します。

 道州制の導入は都道府県制度の見直しにとどまらない。国と地方の双方のあり方の再構築、道府県制度に関する問題への対応にとどまらず、国の形の見直しにかかわるものとして位置づける。圏域相互間、さらには海外の諸地域との競争、連携、一層強まり、東京一極集中の国土構造が是正される。

 つまり、私が申し上げたいのは、本来、道州制の議論とは、やはり国家構造の問題でありまして、今し方、この法案審議の中で出てくるキーワードというのは、やはり行革とか分権とか広域行政、これはどれ一つとっても大事です。もちろん大事です。しかし、これは本来、本質的に道州制の議論というのは国家構造の変革だというところまで突っ込んだ価値判断、価値観を、ぜひ大臣、副大臣にはお持ちをいただきたいんですよね。国家構造の変革です。

 ですから、この法律を私拝見したときに、まあ幾つも不満なところはあるんですが、一番不満なところ、目的規定なんですよね。もちろんこれは道州制とは別物ですというお考えなんだと思いますが、結局、第一条の目的を見ますと、「北海道地方その他の各地方の自立的発展」、地方の発展にとどまっているんですね。やはり本来の道州制というのは、とにかく国家構造、もっと言えば、国家の中に大変凝縮された権限とか財源を持った準国家、国家内国家をつくっていくこと、これが日本の目指すべき本来の道州制の姿、大臣のお言葉をおかりすれば、本来の道州制の姿だと思います。

 そこへ射程を置いていただいた上で、今回の法案がどうなのか、それは一体一合目なのか二合目なのか三合目なのか、どういった評価を置かれているのか、あるいは全く別の路線なのか。これは別の路線だということであってはならないと思いますが、一合目なのか二合目なのか三合目なのか。我々の評価と大臣の評価、ひょっとしたら異なるのかもわかりません。

 いずれにしても、道州制を議論する以上、一体道州制とは何なのかというところに対する相当突っ込んだ価値判断、価値観を持った上で、この国の運営をぜひ図っていただきたい、そう強く願いたいと思います。

 やや各論に入ります。

 この道州制法案、道州制特区は道州制じゃないんだということに関しては、繰り返しになりますがお認めをいただいている。今回のこの道州制特別区域、第二条ですか、定義を置かれているわけでありますが、これは再三議論になっています。なぜ三つ以上の都府県の合併を要するんですか。なぜですか。

○佐田国務大臣  先ほども寺田委員の方からお話がありましたけれども、北海道と基本的に、面積ということもありますけれども、それと同時にいろいろな人口の問題も、また経済の大きさの問題等もありますけれども、そういうことをかんがみたときに、三つということではなくて三つ以上のところが特定広域団体の対象になる、こういうことでございます。

○小川(淳)委員  人口とか面積ですと、これは四十七都道府県さまざまですから、なかなかぴたっとした理由に当てはまらない、これはもうお認めになられているとおりです。ずっと、例えば北海道が、三つ合併しただとか、国の所管機関が似ているのが大体三つだとか、これは情況証拠的な説明というのが成り立っているんですよね。しかし、そこに理念がないんですよ。なぜ三つなのか、二つじゃだめなのか。私はそれは三つでもいい、すべての都道府県に同じように可能性があるんであれば。

 私はどうしても、これは抜け落ちていて気になってしようがないのが沖縄なんですよね、沖縄県。これは沖縄県にはどうしろというんですか。

○山崎政府参考人  お答え申し上げます。

 この三以上の都府県の全部を区域に含むものであるという条件は、これはすべてでございますので、仮に沖縄県単独であれば、この特定広域団体にはなり得ません。ただ、沖縄を含めまして、三以上の県が合併する、そういう場合には当然検討対象になり得る、こういうことでございます。

○小川(淳)委員  鹿児島か宮崎か大分と一緒になれということですか。

○山崎政府参考人  お答え申し上げます。

 別に合併しろとかそういう趣旨ではございません。あくまでも法案でございまして、先ほど申し上げましたように、三以上の都府県、これが一応の目安として今回出しておるわけでございますので、そういう広域性といいましょうか、それを、当然沖縄も含めて、これが全部について適用される、こういうことでございます。

○小川(淳)委員  沖縄がどうしても北海道並みになりたいと思ったときは、鹿児島、熊本、宮崎、いずれかと一緒にならざるを得ないと思いますが、いかがですか。大臣、いかがですか。大臣、今の政府の答弁、いかがですか。

○佐田国務大臣  ですから、先ほどのお話にもありましたように、いろいろな地理的な要素、またはその歴史、そして文化、こういうものをかんがみた場合に、例えば沖縄に隣接した県と県が三つ以上集まればその対象になってくる、こういうことです。

○小川(淳)委員  沖縄に隣接した都道府県というのはどこですか。

○佐田国務大臣  隣接ということで今言いましたけれども、ですから、そういういろいろな自然、文化、そして伝統、こういうものが一致したところは、別に沖縄と隣接というか、していなくても、その関係があればそれは対象になるということです。

○小川(淳)委員  大臣、百三十万人の沖縄県民を前にして、それ言えますか、本当に。私、やや感情的になって本当に申しわけないんですが、平成六年、自治省に入省しまして、最初の赴任地が沖縄県なんですよね。

 日本には、本土のことを内地と呼ぶ地域が二つあります。一つは北海道、一つは沖縄。大臣、盛んに歴史歴史とおっしゃっている。実は、二条の定義規定の中に、この道州制特区の定義として、自然、経済、文化、社会における密接な関係というのは明確に定義されている。これはすっぽり歴史が抜けているんですよね。

 沖縄は、御存じのように琉球王国の歴史があります。今回の法案が広域行政だけなら、行革だけなら、余り歴史歴史とか言わなくていいのかもわかりません。しかし、これは、分権という発想は避けて通れない、物すごく重要な要素だと思います。分権ということを考えたときに、歴史というのは物すごく大きな精神的な受け皿、素養だと思うんですよね。

 これはぜひ、いや、原則三県でもいいですよ。でも、原則でいいじゃないですか。沖縄が北海道並みにやってみたい、今回の特例使いたいと。しかし、鹿児島や宮崎や熊本と一緒にやるわけにいかないでしょう。今回の法案の趣旨に逆らわないんなら、法案の趣旨からして許せるんなら、これは原則三県でいいじゃないですか。いかがですか。

○佐田国務大臣  委員が沖縄に対する思い入れが強いというのはわかりました。

 今私が歴史と言ったのは、自然、経済、社会、文化ということでありますから、文化というのは、やはりこれは歴史も含まれる、そういうことで私の頭に入っておったんだと思います。非常に特殊な歴史等を持っている沖縄でもあります。しかしながら、今度の法律だけで申し上げるならば、これは一応、三県を要するに合併した形で対象になる、こういうことでございます。

○小川(淳)委員  大臣、予想していましたよ、文化の中に歴史が入るというお答えは。だけれども、本当にそうですか。

 大臣、十一月八日、我が党の市村委員の質疑に対して、九州と北海道を比較されて、それは、地域、歴史、文化、いろいろ違うと。きょうの質疑、群馬県内の高崎とどちらでしたっけ、歴史が違うんだよ、歴史歴史と盛んにおっしゃっている。

 これは、分権とか地方自治を考えるに当たって、歴史は文化に含まれていますと言うには余りにも底が浅いと思いますよ。やはり歴史って本当に大事ですよ。副大臣、どうぞ。

○林副大臣  委員の沖縄に対する強い気持ちを、大変感銘を受けながら聞いておりました。

 三つ以上とさっき大臣がおっしゃられましたので、三つでなくても、三つよりたくさんでもいいわけでございます。

 先ほど、きょうだったか前回だったか忘れましたけれども、私の答弁の中で、九州で特区の推進をされておられるというお話を答弁させていただいたかもしれませんが、例えば、沖縄を含む九州で大きな特別区域というのをつくっていただくということは、この法律の今の枠組みの中でも十分可能なわけでございます。実際に、九州府の御検討をされておられるいろいろな検討の中にもそういう記述も出ておる、こういうふうに承知をいたしておるわけでございまして、この法案の枠組みの中でも先生の熱い思いを生かしていただく道が全くないというわけではないというふうに考えておるところでございます。

○小川(淳)委員  副大臣、お言葉ですが、つまり歴史を考えれば考えるほど、九州と沖縄は一緒になれないんですよね。やはり琉球王国と内地なんですよ。琉球王国の歴史を背負った百三十万県民とその他なんですよね。これは、私が申し上げているのは特に沖縄のことをやはりよく知っているからというのはありますけれども、その三つというのは、理念がないのであれば、情況証拠だけなら、そこにこだわって沖縄から可能性を奪う必要はない、そのことだけは強く御指摘を申し上げて、次の論点へ参りたいと思います。

 さて、今回の法案、道州制と道州特区、これは別物だというところをとにかく出発点にしないといけないわけですが、道州制と別物なのに道州制特区と名づけたことに関しては、やはりある種の責任が生じると思うんですよね。私は、この法案をよく読み込めば読み込むほど、都道府県の合併に伴う特例制度だなというのが本質的な姿なんだろうなと思いました。

 これ、法律の名称、道州制特区推進法案、やや気恥ずかしさといいますか遠慮といいますか、そういうのをお感じになられるようなことはございませんか。

○林副大臣  私ぐらい厚かましくなってまいりますと、余り気恥ずかしさとかそういう概念から遠くなってしまっておるわけでございますが、この法案の名称の御指摘がございました。将来の道州制の導入の検討に資するというのは、これ自体が道州制そのものではないにしても、将来の道州制導入の検討に資するためにこれを先行的取り組みとしてやっていこうというのがこの法案の趣旨でございます。

 そういった意味で、どういう主観的な感じを得られるかどうかは別といたしまして、こういった趣旨を端的にあらわすためにこういう名称ということで考えておるということでございます。

○小川(淳)委員  私は、今回のこの制度を見まして一番に、一番にというか、いろいろなやりとりをしながら思い浮かんだのが、政令指定都市なんですよね。市町村制度があって、特に人口要件、面積要件、面積要件は最近外れたんですかね、政令市、中核市、特例市という特別の市域制度があることは御存じだと思います。これが、ある人口要件、面積要件を満たすと政令で指定される。政令で指定された結果、例えば政令市については、この辺にリストがあるんですが、いろいろな項目の権限移譲が行われるということでございます。

 今回のこの道州制特区、これは、都道府県の政令指定によって特別な権限を与えられる潜在的な可能性がある、都道府県の特例制度だと思います。

 そこでお尋ねしたいんですが、政令指定都市制度は当初五市で始まりました。大阪、名古屋、京都、横浜、もう一つどこかですね。今は十五ですか。今、新潟市が準備しているんですかね。ずっと経過を追ってふえ続けてきています。法律要件は人口五十万人ですが、実際の運用は百万人でやられてきた。これは、人口要件を満たしたところで政令市になりたくないという町は多分ないと思いますね。これは手続が法律上ないんですよ。手続がないままに、ある要件を満たせば政令指定する。これは非常によく似ているんですよね。恐らく、法制化に当たってモデルにされたんだと思います。

 しかしこれ、法制的に確認だけさせていただきますが、合併した都道府県三県がこの特例県になりたくないと言った場合には、ならない自由はありますね、法制的には。

○林副大臣  まさに御指摘のように、この法案の仕組みといたしましては、申請という行為が間に入っておりますので、申請をしなければ何も起こらないということでございますから、そこで、三つ以上合併された、特定広域団体になるべき要件を備えた皆さんについてのオプションがある、こういうことだと思います。

○小川(淳)委員  北海道についてはいかがですか。

○山崎政府参考人  今副大臣からお答えしましたが、政令の指定に当たりましては、内閣の方でこれは当該団体の要請を踏まえまして検討することになっているわけでございまして、私どもとしましては、北海道の方は、これまで一緒にこの作業を進めてございますので、拒否ということはないと思いますけれども、基本的には、当該団体の要請に基づいて、当然それを踏まえた上で検討し指定を行うということになると思っています。

○小川(淳)委員  はっきり確認させてください。北海道が嫌なら、この法案が通った後もこの特例県にはならないんですね。北海道が嫌なら、拒否すれば。

○山崎政府参考人  今回の法案の条文で申し上げますと、北海道を初め特定広域団体が例えば指定を拒否できる規定とかそういったものはございませんが、しかし、だからといいまして、これは当然内閣の方で決めるわけでございますので、その段階におきまして当該団体における指定の要請をベースにするということで考えておりますので、それを踏まえた上で当然対応してまいるということになるわけでございます。

○小川(淳)委員  これは、住民投票の要否とも絡んで、実は意外に法制的には重要なところだと思うんですが、自主的にやっていただく、あるいはぎりぎりのところを拒否できる可能性があるという法制を前提に、これは当然のことですが、やはりよく北海道の意向をお聞きいただかなければなりませんし、北海道の都市というのは、二重、双方向の不安があるんだと私は思うんですよ。

 一つは、切り捨てられるんじゃないかという恐怖ですよね。ただでさえ離れたところにありますから、特例制度といいながら、リストラに遭うんじゃないか、切り捨てられるんじゃないかという恐怖。もう一つは、道州制という名前だけついたものの、実際には中身がないじゃないか、実態が伴っていないじゃないかという不安感。この二つの不安に対して、やはり政府としては、本当に真摯にその気持ち、考えを受けとめながら手続を進めていただきたいな、法案ができたとはいえ、北海道の任意だという前提に立ってお進めをいただきたい。これは強く要請、要望しておきたいと思います。

 実は、細かい特例の内容について確認の意味も込めてお聞きをしたいと思っていたんですが、さきの渡辺委員の質疑の中でほとんど明らかになりました。これは、渡辺委員からこの実態を指摘されるまで、大臣、副大臣、この件数あるいは事務量というのは御存じでしたか。

○佐田国務大臣  事務の内容等については承知をしております。件数も大まかなところはわかっておりましたが、きょう改めて、その管理の部分につきましてもあるということを認識させていただきました。

○小川(淳)委員  それは思ったより忙しそうだなということですか。

○佐田国務大臣  それは考え方でありますけれども、非常に重要なものもあるということでございます。しかしながら、中には少ないと言われる方もいらっしゃいます。ただ、これは、そういう中において積極的にふやしていきたい、こういうふうに思っています。

○小川(淳)委員  大臣、既に御答弁の中で、そういう少ないという意見があるだとか、あるいはシャビー、シャビーというのは英語ですか、私よく知らないんですけれども、シャビーだという声もあるとかいうことをおっしゃっているんですが、それは世間にある声ですか、大臣御自身の評価ですか。

○佐田国務大臣  世間から聞いた覚えがあるということです。

○小川(淳)委員  ということは、大臣としてはどう評価されていますか。

○佐田国務大臣  その内容は一つ一つ重要なことであると私は思っております。

○小川(淳)委員  どの仕事も重要なことは間違いありません。

 冒頭申し上げた本来の道州制議論、やはりここを常に頭のどこかに置きながらこの法案審議には臨んでいただかなければなりませんね、担当大臣として。それで、申し上げたように、この法案が一体そこに向かって一里塚なのか、二里塚なのか、三里塚なのか、あるいは〇・一なのか。そういう価値判断に立って、評価軸に立って今の質問に大臣にぜひお答えをいただきたいわけですが、いかがですか。

○佐田国務大臣  今もお話ししたように、先ほどの項目、八項目ありましたけれども、基本的に、要するに国のものを道の方に移譲するであるとか二重行政になったものを移譲する、こういうことの根本が大事なんだと私は思っています。

 したがって、例えば、本部において知事に参与になっていただき、そしていろいろなものを北海道の方から基本方針の変更が来たときに非常に重要視してそれを閣議決定していく、そういうことが大事なんじゃないか、私はこういうふうに思っています。

○小川(淳)委員  大臣、もう一度お尋ね申し上げます。

 将来の本来の道州制、冒頭議論しました。国家内国家、国家内準国家をつくっていくぐらいの国家構造の変革という大目的をにらんで、今回の法案に具体的に盛り込まれた、申し上げますよ、結核児童の療育給付、従来国立病院については道が指定できなかった、道が指定できる病院が、国立病院全部で十五あります。既に国が指定しているのが一、ですから、道としては十四の病院について指定できるようになる。生活保護の医療扶助、国立病院で、既に国が指定済み、十五のうち十三、残り二つ。生活保護の介護施設、国が開設した施設、皆無です。等々、個別に申し上げるのは本当に何かわびしい、寂しい気持ちになってきますが、大臣のお言葉をおかりすれば、これはシャビーですか、それとも十分なものですか。

○佐田国務大臣  今も申し上げましたけれども、シャビーとかそういうことではなくて、こういうふうな二重行政を改めて、器をつくっていくということにおいては非常に重要であり、これが通れば七合目ぐらいまで、かなり進んでいくんじゃないか、こういうふうに思っております。と申し上げるのは、これによって、来年また再来年になれば、相当な税財源の移譲、そして権限の移譲が行われるわけであります。

 そういう中において、先ほども申し上げましたけれども、北海道における特定広域団体、これが広域行政の中で非常にいろいろなものを、地方分権の中で、私はスリムな行政ができてくると思います。それと同時に、また、例えばいろいろな、九州にしろ、北陸にしろ、関東にしろ、そういうところがどんどん地域に根差した特定広域団体というものが生まれてくれば、その中においてビジョンもおのずと生まれてきて、そして日本式の、本当に日本が望んでいるような道州制のビジョンができ、道州制移行の大事な今回の法律になってくる、私はこういうふうに思っています。

○小川(淳)委員  副大臣、お考えありますか、今の質問。

○林副大臣  大臣が今お話しになられましたように、これは余り足し算のように考えますといけないのではないかと私は思っておりまして、こういう例をつくっていくことによって、これは最初の例でございますから、法案を通していただいてこれをやってもらう。そうしますと、やはりできたじゃないか、特区は構造改革特区もそうでございますが、本当に両論ある中で、一部だけ穴をあけてやってみよう。やってみたら、言われていたような副作用は余りなかったね、それでは全国で展開できるではないか、こういうふうにつながっていくわけで、一部の地区でやっていたものが四十七倍になるということもあるわけでございますから、数の多寡でいうと、確かにいろいろな事務のある中で、何百、何千とあるんでしょうが、その中での数でございますけれども、今まで国でしかできないというふうに言われてきたことを実際に特定広域団体でやってみて、できるじゃないか、今大臣がおっしゃったように、そこから大きく大きく広がっていくものだ、こういうふうに認識しております。

○小川(淳)委員  大臣、私はボリュームについてお聞きをしたかったわけですが、それは器が大事だ、そのとおりでしょう。であるならばなおさらですが、私は本当は揚げ足をとるのは嫌いなんですけれども、間違っても弾み車だとかいうことをこの場で担当大臣としておっしゃるべきではないと思いますが、いかがですか。

○佐田国務大臣  言葉のあやで言って、それを委員がちょっとおかしいんじゃないかと言われれば、私は、これは非常に物の言い方が、ちょっととらえられ方が違うということで、比喩の仕方がまた違っていたのかもしれませんけれども、私の言いたいのは、今回のこの法案を通して、しっかりとした、二年、三年をかけていろいろな地方分権を進め、そして私は、地方分権というものは、すべて国が画一的に主導するということではなくて、やはり北海道には北海道の地方分権があろうかと思いますし、九州には九州の地方分権があると思います。そしてまた、関東には関東のそういうものがある。そういう中において、私は、今回の道州制特区推進法が、通していただければ相当な進歩ではないか、それに近づける要素になるのではないか、こういうふうに思っておるわけであります。

○小川(淳)委員  見苦しい水かけ論をしたくありませんので指摘にとどめさせていただきますが、とにかく残された時間、ぜひとももう一つ本質に行き当たっていただきたいんです。

 私は、これはなかなか公式にお認めになるのは難しいと思います。難しいと思いますが、さっき申し上げた将来の大目的たる道州制をにらんだときに、この法案の内容ではまだまだ一合目まで行っていないんだろうなというぐらい、名前はいいですよ、そういうじれったさといいますかジレンマといいますか、担当大臣あるいは副大臣として、これで十分満足をしていただいているようでは私はだめだと思うんですよ。ある種のフラストレーションを抱えてここへ法案を出されて、今に見てろよ、将来見てろよ、この国で本当の道州制を実現してやるぞというふうに思っていただいていて本物だと私は思うんですよね。

 いや満足です、それは言わないといけないでしょう、この場では。しかし、心のどこかに、この内閣においてこの道州制を進めていただく責任者ですから、やはりそういう情熱に裏づけを持ったフラストレーション、ぜひ私は抱えていただきたいと思います。

 そこで、さらに突っ込んで、なぜ本来の道州制に焦点を当てたときにこの議論が進みづらいのか。私は両面あると思いますが、大臣あるいは副大臣、いかがですか。なぜこの議論というのは進みづらいんですか。

○佐田国務大臣  小川先生は非常に、これはもっと信念を持ってやるべきだと言われています。それは私も同じです。ただ、要するに、この器をつくっていただければかなり信念を持って進めると思っているんです、はっきり言って。そして、今現在議論のある道州制を阻むものでもない、私はそういうふうに思っております。

 要するに、それはどういうことかといえば、私の中でちょっと不満、小川先生は不満だと思われるかもしれませんけれども、私は、今の法案を進めることというのは、地域地域、繰り返して恐縮ではありますけれども、北海道には北海道の地方分権、九州には九州の地方分権、そういう中において本当の意味の日本の地方分権をやり、真の道州制に近づいていくんじゃないか、こういうふうに思っておりますので、情熱はしっかり持っていきたい、かように思っています。

○小川(淳)委員  私の方から大臣にお答えをいただきたかった内容を申し上げます。

 つまり、道州制を進めるに当たって、やはり二つあると思うんですよね。

 一つは、本当に不安なんですよ。本当にどこまでやっていいのか。これは手探りです。リスクをとりながらやっていかなきゃいけない。これは本当に慎重にやるべきところ。

 問題は、もう一つの原動力なんですが、これは、先ほど来議論になっています国家構造を変える話につながりますから、当の国家機構としてはやはり痛しかゆしみたいな話が出てくるわけですね。

 申し上げたいんですが、これは、道州制を進める、地方分権を進めるという点に関して、与党も野党もありません、こんなものは。むしろ与野党共通の方向感を持って議論を進めていくべき話だと思います。しかし、実際に中央官庁あるいは政府に閣僚ないしは副大臣として入られたお二方と、皆さんに実際にお仕えになっておられる方々との間には、ともすれば私は利害衝突が出てくると観察をしていますが、大臣、いかがですか。

○佐田国務大臣  それは、行政改革を行い、そして地方分権を進める以上は、やはり各省庁、今度の本部は各大臣がすべて入るわけでありますけれども、そして総理大臣が本部長でありますけれども、先生の言われるとおり、かなりの抵抗は出てこようかと思います。しかし、それを恐れていたらば本当のダイナミックなビジョンはやはりできませんし、そしてまた将来の道州制を見据えた形はできませんから、それは全力で頑張っていきたい、かように思っています。

○林副大臣  今大臣がおっしゃったとおりでございまして、今委員が御指摘になったように、御質問を聞いていまして、昔、イギリスで「イエス、ミニスター」という映画かテレビ番組がございました。必ず、我々が入っていきますと、そこの部下の皆さんや、行革全般でいうと霞が関の皆さんは、わかりました、こういうふうにおっしゃっていただく。しかし、その本当のところが、先ほどの渡辺委員の御指摘があったところでございますけれども、きちっと内容が貫徹しているのかというのは、一にかかって、入っていった我々が、眼光紙背に徹して、イエスというそのお返事の中身が本当にイエスなのかという眼力を持ってできるかどうか、ここにかかってくるのではないかと思っております。

○小川(淳)委員  そのとおりだと思いますね。本当にそういう目で取り組んでいただきたいと思うわけですが、であるならば、先ほどお尋ねをした、例えば個々の特例に関して本当にどれくらい事務量があるんだろうと、これは、もちろんお忙しいと思いますよ。お忙しいと思いますが、当然出てこなければならない疑問ですし、私、一番にそれはやはり気になりました。実際のところはどうなんだ、本当にどのぐらいの事務量があるんだ。そのほかにも、砂防法を初めとした特例、これは本当のところどんな意味を持っているんだというところには相当の御関心と熱意が大臣ないし副大臣御自身にないと、この話は進みませんよ、ここから先。

 私は、自分自身、中央官庁で九年余り勤めをさせていただきました。もちろん、いろいろな体験、いろいろな勉強になることが多々ありました。ですから、だからこそ申し上げたいんですが、決して悪気があってそうしている人はそうはいません。やはり、中央官庁は中央官庁で、自分たちの生活がかかっていますよ、変な話。自分の人生がかかっていますよ。それは必死ですよ。容易じゃありませんよ。でも、国家構造を変えていかなきゃいけないんですよね。それは我々の務めですし、大臣、副大臣には本当に傷だらけになってでもやっていただかなきゃいけないことだと思います。

 例えば、さっきも議論のありました、北海道から三十三項目ですか、要望が上がった。その幾つかが実際に実現されつつある、あるいは幾つかは共同作業等で、言葉は悪いんですがお茶を濁す、そんなのもあるでしょう。しかし、本当はもっと想像していただきたいのは、本当に北海道の本音の総和が三十三項目にとどまると思われますか。そこをぜひお聞かせいただきたい。

○佐田国務大臣  これから、これからというか、北海道の意見はもう相当出てきていると思います。今委員が言われたように、今回の権限の移譲、それでまた直轄工事の問題、やはりこういうことは確かに相当な抵抗はあろうかと思いますし、これからもっといろいろな要素が出てきて、そしてまた、この間知事にお会いしましたら、いろいろな提案が相当にもう既に出てきているそうでありますから、それは真摯に受けとめ、そして、これは確かに、傷だらけになっても全力で理解をし、説得をしていかなくちゃいけない、こういうふうに思っています。

○小川(淳)委員  やはりそこに意識を持っていただくと、これは北海道が出してきたのは本当に全部か、水面下で調整した結果抹殺されたみたいなのはないだろうなというところまで、大臣、副大臣、意識を持っていただかないと、この話は生きてきませんよ。

 それからもう一つ。ジェットエンジンだとか金科玉条みたいに言われていますが、基本計画の変更申請ですか、これだってそうですよ。法律ができたからこれでどんどん行きますなんという甘い話じゃありませんよ。これは強烈に、そこがいかに難しいことか、大臣、副大臣、相当な御自覚をお持ちいただいた上で、まだ成立していませんけれども、成立以降も運営に当たっていただきたい、本当にそう思いますよ。これは、そんな簡単なことじゃありませんよ。

 最後に、私はやはりこの法律の名称については不満です。できれば、都道府県特例制度とか、あるいは将来の道州制検討に向けた都道府県の特例制度の創設とかならば、そんなに議論にならないと思います。道州制という言葉には、日本人はやはり夢を持っているんだと思いますね。さっきの中川現幹事長の引用ではありませんけれども、やはり相当な夢とかロマンを持っていて、国の形だとか何だとか、期待感とか高揚感のこもった言葉ですよ、この道州制という言葉は。

 この道州制という言葉をやはり安っぽくは使わないでいただきたい、法案の中とはいえ。これはもうしようがない、つけられた。そうしたら、この名称を冠したことに、法案の名称にこれを冠したことに大きな責任感を感じていただきたい。一方で、この法案を所管される以上、やはり日本人の夢をしょっているわけですから、この道州制という言葉を殺さないでほしい、ぜひ生かしていただきたい。

 そのためには、繰り返しになりますが、いろいろな議論はあるでしょう、いろいろな議論はあるでしょうが、やはり大臣、副大臣が、政治家として、我々はやはり国家の将来を考えていますよ、国家の将来、国民生活の幸福、そこに我々はやはり忠誠心を持つべきだと思います。しかし、国家機構の社員は違いますよ、国家機構の社員は国家機構に対して忠誠心を持っていますから。

 そこをぜひ見間違えないように運営していただくことが、私は、この道州制という言葉に込められた日本人の思いというか、将来に向けての期待感とか高揚感とか夢みたいなものを殺さない。その責任は、もちろん我々も当然ですが、やはり大臣、副大臣に一義的に担っていただかないといけない。これは本当に重いお務めだと思いますが、ぜひとも、お体にお気をつけいただいて、頑張っていただきたいなと思います。

 ありがとうございました。


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