民主党 衆議院議員 小川淳也
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改革のゴール→2050年25%改革 税と社会保障の一体改革議論が行われています。しかし、それが一体何を意味するものなのか、未だ漠然としています。そこで、この問題をもう少し厳密に定義したいと思います。 日本の社会保障制度の基本が設計されたのは1960年代です。ちょうど東京オリンピックや大阪万博にわいていたころです。当時の高齢化率は5%、日本の体形、すなわち人口構成はきれいな正三角形をしていました。 つまり「限られた数のお年寄りを圧倒的多数の現役世代で支える」それがこの時代の根本哲学であり、設計の基礎だったのです。 当時定年は55歳、年金支給開始年齢も55歳、そして若い世代の保険料はわずかに収入の3%でした。 あれから50年。2010年現在、日本の高齢化率は20%に到達しました。体の形、人口構成はちょうどひょうたん型をしています。 上のでっぱりは65歳前後の団塊世代、下のでっぱりは40歳前後の団塊ジュニア世代です。 定年は65歳へと引き伸ばされ、年金支給開始も65歳に、そして若者の保険料は何と18%まで上昇しつつあります。 つまりこの50年はこのように定義することができます。 高齢化率が5%だった1960年代に、「若者が高齢者を支える」という制度が設計され、それから高齢化率20%に達する2010年代まで、負担の構造は変えることなく、負担の規模を拡大(保険料を上げる)することと、給付の抑制(年金支給を遅らせる)をはかることによってつじつま合わせをして来たのです。 さて、問題はこれから先です。現在20%の高齢化率は今後もぐんぐん上がり2050年ついに40%に到達し、何とその後半世紀にわたって40%のまま固定するのです。このときの人口構成、日本の体形はきれいな逆三角形となります。 こうなるとこれまでの「若者が高齢者を支える」という仕組みそのものが成り立つのかという問題が生じます。答えはあきらかにNOです。 とすれば、ここで答えがひとつ見えて来ます。税と社会保障の一体改革とは、高齢化率が40%に到達する2050年をターゲットとし、このときまでにお年寄りから赤ん坊まで「全世代でできるだけ薄く広く必要な財源を賄い合う」社会に移行すべきであるということ、つまり消費税を財源とした年金・医療・社会保障の仕組みに移行するということです。 ここで粗い試算をさせてください。現在高齢者向けの医療、介護、年金などの社会保障給付費は総額約80兆円です。高齢化率20%で給付が80兆円ですから、高齢化率が40%で倍になれば、給付総額は単純計算で160兆円まで膨らみ、追加で80兆円の財源が必要となります(人口減少や経済成長はこの際捨象しています)。 現在世界で一番高い消費税率は北欧諸国の25%です。歴史的、経験的にこれ以上の消費税率の負担には経済的にも、精神的にも国民は耐えられない、そんな気がしています。 仮に今の日本で消費税率を25%に引き上げたとすれば約50兆円の財源を得ることになります。 しかしいかがでしょうか。40年後の2050年、消費税率を25%まで引き上げたとしても出てくる追加財源は50兆円、増大する社会保障費の追加分は約80兆円、結局30兆円足りない計算になるのです。 そこで税と社会保障の一体改革に求められる要素を追加せねばなりません。 つまり2050年をターゲットに、消費税を25%に引き上げて、必要な費用を全世代で賄う体制を作り上げる。と同時に160兆円に到達する社会保障給付を2割程度合理化する(不足が見込まれる30兆円に相当)道筋である。大きく言ってそのように定義することができるのです。 社会保障費2割の合理化努力は、たとえば年金支給開始年齢をどうするか、高額収入者や大きな資産を有する方に対する年金支給は今までどおりでよいのか、医療費の少額部分にまで医療保険を適用することが今後も可能か、高額医療費を公営保険でどこまで見ることができるか、そうした根本的な議論を、それこそ国民的に大いに、徹底的に行わなければなりません。 さらに消費税率を40年かけて25%まで引き上げるに際しては、その引き上げ方も @ 10年に一度5.0%引き上げる A 5年に一度2.5%引き上げる B 3年に一度1.5%引き上げる C 2年に一度1.0%引き上げる D 毎年0.5%引き上げる など様々な考え方があっていいと思います。どの引き上げ方が国民の消費行動を抑制せず、また深刻化しているデフレ対策に有効か、低所得者向けにはどのような配慮をなすべきかなどについて国民的な議論、そして場合によっては国民投票も視野に入れるべきだと思います。 しかしひとつだけはっきりしていることがあります。消費税をあげるか、あげないかという選択肢はもはやないということです。むしろ、いつどのように引き上げていくのか、その選択肢がいくつかあるだけ、厳しくも正しい認識に立たなければなりません。 そして今求められているのは、それに見合う、それにふさわしい、信頼と推進力を備えた質の高い政治のリーダーシップです。 そしてそれを得るためにも、改革の入口である「1割・2割・3割の改革」をまず断行し、政治への信頼感、期待感を獲得すること。古い荷物を整理し身支度を整えたら、いよいよ改革の本丸である税と社会保障の一体改革を目指して突き進み、ゴールは「2050年25%の改革」に置くのです。 数ある課題をあえて捨象し、最も骨太なところで日本の進むべき方向について道筋を描かせていただきました。あとは実行力。実行する力。国民と対話できる強く、優しい、賢いリーダーシップが必要です。 悲観的に過ぎるのではないか、経済の成長プランなどをあわせて議論すべきではないか、様々なお声が聞こえてきそうです。 おっしゃるとおりです。 しかし、順序を間違えてはいけません。 私たちは過去何度も、政府のその場しのぎの甘い見通しを何度も聞かされ、裏切られ、信頼できないどころか返って不安を煽られる結果となって来ました。 そろそろその負の連鎖(欺瞞が不安に、その不安はさらなる欺瞞で上塗りされる)を断ち切り、信頼の連鎖へと逆回転させなければなりません。 もちろん、激変する国際環境の中で世界とさらなる共生を図っていかなければならず、また人口減少を補うためにも、世界中から人とものをひきつける政策が必要です。 さらに将来に向けてはエネルギーや環境問題で世界の最先端を行き、創業者利益を日本国民にもたらさなければなりません。 そして宇宙産業、ロボット産業、自動翻訳を含めた情報通信技術など、世界で成長が見込まれる技術には政府が先頭に立って投融資し、将来的に世界市場10兆円くらいが見込まれる産業を国策によって育成しなければなりません。 そして何より重要なのは経済成長の大前提となる条件整備を正しく行うことです。成長の要素となる資本、労働、生産性の各要素に正しく働きかける必要があります。 資本の面から言えば、日本では今だに間接金融が中心で、そのほとんどは保証人や土地を担保に行われています。知恵と工夫や将来的な可能性といった、正に“知価”に投融資できる流動性の高い、リスクをとれる資金供給体制が必要です。 労働の面から言えば、女性の社会進出を支える子育環境の整備、高齢者の社会参画の拡大、さらに社会保険や退職金を巡って格差のない雇用法制、ひいては流動性の高い雇用市場への移行など総合的な施策が必要です。 生産性について言えば技術革新と規制緩和が鍵となります。技術革新に向けては長期展望をもってメリハリの効いた産業育成が必要ですし、医療や農業など大幅な規制緩和が必要な分野もあります。 しかしいずれにしても国家はプレーヤーそのものではありません。本来のプレーヤーたる国民が自由に創意工夫し、努力し、リスクをとって将来のために行動できる環境づくり。失敗しても致命傷を負うことはなく、再起を促す仕組みづくり。それこそが国家の役割です。 これらはひいては、最終的には教育の問題にも行き着きます。イエスマンの企業戦士を大量に育成することを目標にした成長期の教育モデルから、低成長で不確実な時代を前提に、自ら考え、自ら表現し、他者と十分なコミュニケーションをとり、お互いに高めあい、自らのリスクと責任において果敢に行動に出る人材。自立・創意工夫型の人材養成へと教育の価値そのものを転換していかなければなりません。 こうした総合的なプラン、統合されたパッケージについては近い将来「日本再生計画 〜日本列島開放論〜(仮称)」にとりまとめたいと思います。 確かにこれからの日本はさらに厳しく難しい時代へと入ります。しかし漠然と不安にさいなまれているだけのときはそろそろ終わりにしなければなりません。 明確にターゲットを設定し、正しい分析の上に立って課題を定義し、対処すべき明快な方針とそれにともなうリスクの説明、具体的な段取りを示し、ともに一歩踏み出す勇気を得なければなりません。 正しい手立てさえ打てれば、その先には厳しいにせよ、容易でないにせよ、必ず新しいフィールドが広がり、大きなチャンスの広がる日本、息苦しさのない社会、可能性に満ちた国家、互いの信頼、日本人であることへの誇り、そして、世界に貢献しているという自負、こうしたものを確かに取り戻せる日本が広がっている。そんな近未来の日本の姿が目に浮かぶような気すらしています。 私には中学2年生と小学6年生になる娘が二人おります。先日夕飯をかこみながら言いました。 「二人の時代は大変な時代ではあるよ。お父さんは人口が1億人を超えた1970年代にこの世に生まれて、再び1億人を切る2050年ごろに人生を終えるよ。でも二人は生まれたときから人口がほぼ減り続けて、二人が人生を終える頃には今の半分くらいになってしまうよ。10人に4人がお年寄りになるよ。でも何とかするからね。お父さんたちの世代でできることを必ずしっかりやるからね。お父さんたちの世代がやらなければならないこと、その世代分の責任だけはしっかり果たしたいと思ってるよ。後はまた次の世代で頼むね。大変だけど素晴らしいと感じられる日本の基礎だけはしっかり作っておきたいと思うよ。」 娘たちは、不安げにも目をきらきらさせながら、「もっと多くの子供たちに、お父さんから同じような話をしてあげて欲しいよ。」そう言ってくれました。 私たちの世代分の責任だけはきっちり果たしたい。全てを解決できるわけではありません。100点満点をとれるわけでもない。しかし、私たちの世代分の責任を自分たち自身に恥ずかしくないように果たしたいと思います。その上で次の世代にバトンタッチしたいと願います。
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